聴覚障害と理解
2025-12-05 13:49:50

聴覚障害理解を深めるオンライン講演会の成功報告とその意義

聴覚障害理解を深めるオンライン講演会の成功報告



2025年11月5日、株式会社スタートラインが主催したオンライン講演会において、認定NPO法人サイレントボイス代表理事の尾中友哉氏をお招きし、聴覚障害者とのコミュニケーションに関する重要なテーマについてお話しいただきました。本報告では、講演の内容や参加者の反響を詳しくお伝えします。

開催の背景



スタートラインは、障害者就業支援を通じて「誰もが自分らしく生きる社会」を目指しています。この度の講演会は、社員の障害理解を深めるために企画されました。特に、聴覚障害者の就労支援においては、従来の「合理的配慮」から一歩踏み込み、当事者の背景や文化を理解することが不可欠です。尾中氏はCODA(聞こえない親を持つ聞こえる子供)としての経験を通じ、障害者の視点を広げる貴重な機会を提供しました。

講演の内容



テーマ:聴覚障害の体験と社会課題


尾中氏は、「聴覚障害者」を単なる障害者として捉えるのではなく、「異なる文化を持つ言語的マイノリティ」として理解することの重要性を強調しました。彼の言葉からは、聴覚障害者は他の言語や文化を持つ「外国人」にも似た存在であり、相互理解が不可欠であることが感じられました。

「見てわかる支援」の重要性


参加者は、聞こえない人が日常的に行っている「推測」による脳の疲労を体験しました。このワークショップでは、音声情報の単なるテキスト化ではなく、情報の視覚的デザインが如何にコミュニケーションをスムーズにするかが紹介されました。太字や色分けを用いることで、優先順位がはっきりした情報が提供できることが説明されました。

強みへの転換



講演では、障害特性がどのように強みに変換できるかについても考察されました。尾中氏は自身の母親の喫茶店経営に関する話を交え、環境とマインドセットによって障害特性が生かされることを示しました。アクティブラーニングを通じて、参加者は「できない」という考えから「新たな強みへと視点を変える」重要性を学びました。

参加者の反響



講演を受けて、参加者からは多くの感想が寄せられました。「支援観が変わった」「明日から実践したい」など、講演の内容には熱心な反響がありました。特に、「障害=できない」というバイアスに気づいた社員が多かったようです。「情報提供に視覚的要素を取り入れることで、相手とのコミュニケーションがよりスムーズになる」との声もあり、実践への意欲が見えました。

今後の展望



講演での洞察を日々の業務に反映させ、障害者雇用支援の質を高めていく予定です。専門家や当事者との対話を重視し、社員のDE&Iリテラシーを向上させ、誰もが自分らしく働ける社会の実現に努めていきます。

尾中友哉氏のプロフィール



尾中友哉氏は、滋賀県出身で、聞こえない両親を持つCODAです。手話を第一言語として育ち、広告代理店勤務を経て2017年にNPO法人サイレントボイスを設立。教育事業や企業向け研修など多岐にわたる活動を展開しています。

この度の講演会は、聴覚障害への理解を深めるだけでなく、社会全体が多様性を受け入れるための重要なステップとなりました。会社としても、これからもこの意識を大切にしていきます。


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