名城大学とNTTエクシーパートナーが開発したAIオンライン服薬指導学習システム
名城大学薬学部とNTTエクシーパートナーが共同で開発した「AIオンライン服薬指導学習システム」が、教育の現場に革新をもたらそうとしています。このシステムは、生成AIを活用して学生がAI患者と対話することで、対人能力を鍛え、実践的な服薬指導スキルを身につけることを目指しています。
AIオンライン服薬指導学習システムの特徴
この新しいシステムの最大の利点は、学生が相手の都合や時間にとらわれず、いつでもどこでも服薬指導のトレーニングができる点です。AI患者には、性格や病歴など多様なパーソナルデータが設定されており、これによって学生はリアルな状況に即した演習を行うことができます。さらに、対話の内容に基づいて、学生ごとの学習課題を抽出するフィードバック機能も搭載されています。
背景と課題
薬剤師には、知識だけでなく、患者とのコミュニケーション能力も求められます。実務に出る前にこの能力を十分に養うことは極めて重要ですが、大学内での教育には限界がありました。この課題に対処すべく、AI技術を駆使した自己学習システムは、学生が実際の薬剤師としての役割を自律的に学ぶ機会を提供します。
名城大学では、4年生を対象に『薬物治療マネジメント』の授業を通じて、このシステムを活用します。この科目では、学生は提示された症例を基にグループで最適な薬物療法を模索し、従来の手法に加えて、患者の感情や意図を深く理解することが可能となります。これにより、より実践的な能力を養成することが期待されているのです。
システムの仕組み
このAIオンライン服薬指導学習システムは、シナリオ、患者のパーソナルデータ、フィードバック項目の3つを組み合わせて運用します。学生が発話した内容は音声認識され、AIがテキストで返答を生成します。さらに、生成されたテキストは動画生成AIを用いて音声化され、対話が進行します。リップシンクも行われるため、よりリアルなやり取りを体験できます。
会話が完了すると、フィードバックが表示され、各項目に対する評価と総合評価が示されます。これにより、学生は自身の強みや改善点を知ることができ、次回に活かすことができます。
授業公開の詳細
この新システムの導入を記念して、6月17日(火)には名城大学八事キャンパスにて授業公開が行われます。当日は報道関係者の取材も受け付けており、興味のある方は事前に申し込みが必要です。詳細は大学の公式サイトからご確認ください。
この機会に、最先端のAI技術がもたらす教育の未来に触れてみてはいかがでしょうか。新たな学びの形が、薬学教育に革命を起こすかもしれません。今後の展開にも目が離せません。