職場のリスク管理
2026-07-24 10:34:38

リスク管理の意識調査 職場での行動と認識のズレを考える

職場のリスク管理に関する意識調査の結果



一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)が実施した意識調査では、全国の働く男女415名を対象に、職場におけるSNSの投稿や情報管理、生成AIに関する行動を明らかにしました。

調査の概要


調査の結果、8つの職場で起こり得るリスク行動全てに対して75%以上が問題を認識していることがわかりました。しかし、実際には53.3%がそれに類似した行動を経験しているという結果も出ています。特に、20代は社内資料を私物のスマートフォンで撮影する行動についても36.4%が類似経験を持ち、80.5%は問題があると認識しています。

このデータから、社員がリスクを認識しながらも、善意や業務上の必要性が行動を促してしまう「認識と行動のギャップ」があることが示されています。

リスク認識の高い行動とは?


調査結果として、取引先からの手土産や取引先名の個人SNSへの投稿や部下のInstagramをフォローし、休日の写真にコメントする行為など、リスクとして認識される行動は多岐にわたります。具体的には、以下のような行動が問題視されています。

  • - 取引先からもらった手土産の投稿: 82.9%が問題を認識
  • - 部下のInstagramへのフォロー・コメント: 81.4%が問題を認識
  • - 社員の集合写真の投稿: 85.8%が問題を認識
  • - オフィスでの自撮り動画を投稿: 86.0%が問題を認識
  • - 残業や評価制度に関する愚痴の投稿: 84.8%が問題を認識
  • - テレビ取材予定の仲間内SNSへの投稿: 75.7%が問題を認識
  • - 炎上マニュアルを私物端末で撮影: 87.5%が問題を認識
  • - 生成AIに部下の評価面談情報を入力: 79.5%が問題を認識

これらの行動に共通しているのは、職場の環境や業務をスムーズに進めるための善意に基づく行動であるという点です。

各年代における類似経験


特に若年層では、問題を認識しつつもリスク行動に走る傾向が見受けられます。20代では36.4%が、社内資料を私物で撮影した過去があることが確認されました。この行動によって発生するリスクを十分に理解していても、実際の行動がそれに反してしまうのです。

善意が招く行動のリスク


善意や利便性が行動の背後にある場合、リスクを認識していてもそれが抑制されないというのが、今回の調査から浮き彫りになった大きなテーマです。例えば、「仕事を効率化したい」「自宅で資料を管理しやすくしたい」といった動機が行動に移される瞬間、本人もその行動が適切か判断を誤ってしまうのです。

組織としての対応が求められる


このような現状を受け、RCIJでは職場のリスク意識を高める取り組みとして、組織のルールを明確に提示することが重要であると提言しています。「注意してください」という呼びかけだけでは不十分であり、どの情報をどの端末で扱うべきか、明確に示す必要があります。特に生成AIの扱いについては、入力してはいけない情報の範囲を示すことが重要です。

また、「なぜその行動を取ったのか」を問いかけ、制度や業務プロセス全体を見直すことも大切です。問題が発覚した際には個別の責任追及ではなく、組織全体の文化としてリスク管理を実現する必要があります。

この調査結果は、個人のリテラシー教育から組織の仕組みづくりへと進むことの必要性を示唆しており、リスク管理の新たなアプローチを模索する指針となっています。今後、職場での情報管理やSNSの利用について、どのような対策が取られていくのか注目が集まります。


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