伊豆箱根バス、GTFSリアルタイムデータの公開を実施
伊豆箱根バス株式会社は、公共交通オープンデータ協議会を通じて、バスのリアルタイム位置情報を生み出すGTFSリアルタイムデータを公開しました。この新しい取り組みは、観光客や利用者にとって、非常に利便性の高いサービスを提供するものです。今後、Googleマップ上でリアルタイムのデータを活用できるようになることで、観光客はスムーズに目的地への移動が可能になります。
取り組みの背景
このプロジェクトは、公共交通オープンデータ協議会(会長:坂村健・東京大学名誉教授)によるものであり、市民や観光客がより便利に公共交通機関を利用できるようにすることを目的としています。今後は、伊豆箱根バスの運行情報がGoogleマップの経路検索機能と連携し、リアルタイムでバスの位置を把握することができるようになります。
この実施により、訪日外国人などの観光客にとって、観光地へのアクセスがこれまで以上に便利になり、バスを利用した旅の質が向上することが期待されています。
使用する技術
伊豆箱根バスが採用した「バスナビゲーションシステム for SaaS」は、NECネクサソリューションズ株式会社が提供しています。このシステムは、GTFS-JP(日本向けデータフォーマット)およびGTFSリアルタイムのデータを生成します。
GTFSは、公共交通のリアルタイム情報を提供するために広く利用されているデータフォーマットで、日本においてもその活用が進んでいます。今後、他のバス事業者も同様のシステムを導入し、データのオープン化が進む見込みです。
公共交通オープンデータ協議会の活動
公共交通オープンデータ協議会は、多様なデータ利用者と公共交通事業者をつなぐプラットフォームの運営をしています。日本におけるモビリティ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、多くの企業や機関が参加しています。
また、2019年からは公共交通オープンデータセンターを運用し、様々な交通データを一元的に提供するサービスを展開しています。この取り組みにより、公共交通機関の情報のオープン化が進み、利用者に多くのメリットをもたらしています。
未来への展望
伊豆箱根バスは、2023年9月から時刻表データとバスロケーションデータのオープンデータ化を進めており、利用者の利便性をさらに向上させるための準備を整えています。NECネクサソリューションズも、40年にわたってバス業界向けのシステムを提供しており、多様な運行形態に対応しています。
今後の制度整備とその発展により、バス業界全体がデジタル化され、より効率的で便利な交通サービスが実現することが期待されます。地域社会の発展や環境の保全の観点からも、こうした取り組みは重要な意義を持っています。
この取り組みが更なる利便性向上につながり、地域の観光地を訪れる旅行者や地元住民の生活をより豊かにしていくことを願ってやみません。