廃エアバッグ活用の未来
2025-10-21 11:44:23

廃棄エアバッグから生まれる再生ナイロン66樹脂の革新

エアバッグの廃棄からナイロン66樹脂への進化



自動車の廃車が年間273万台も行われ、その結果として約1,900トンのエアバッグが廃棄される現実があります。エアバッグはこれまでほとんどリサイクルされず、ASR(自動車シュレッダーダスト)として処理される傾向がありました。しかし、近年の欧州連合の自動車循環設計や使用済車両の管理規則により、日本でもリサイクルや再生材の活用が推進されています。

リファインバースと東レの協業



このような中、リファインバース株式会社と東レ株式会社は、廃棄エアバッグを再生したナイロン66樹脂素材の開発に向けた包括的な協業を開始しました。MOUを締結することで、エアバッグの再生における技術的課題を解決し、より高品質なナイロン素材「REAMIDE®」を市場に供給することを目指しています。

循環型社会の実現へ



リファインバースでは2019年から、エアバッグからナイロン素材を生み出すプロジェクトを始動。不必要なエアバッグの回収を行い、全国全域で約100社の自動車解体業者と連携しています。これまでに開発された「REAMIDE®」は、建材や結束バンドなど様々な用途に使用されています。

推進される再生プロセス



リファインバースは、エアバッグの回収から、シリコーンゴムの剥離、洗浄、リペレット加工までの全工程を自社で実施。一方で、東レはコンパウンドの設計や量産を担当し、役割を分担して開発を進めています。現在、ナイロン66樹脂の品質向上に向けた取り組みも行われていて、これまでの製品を上回る性能を持つナイロン素材が期待されています。

日本国内の活用とエコ推進



新たに開発された「REAMIDE®」は、国内で回収された使用済車両由来のPCR(ポストコンシューマーリサイクル)材として、東レの品質基準を初めてクリアしました。これを受けて、リファインバースは今後もエアバッグを再生し、自動車用途に活用するサプライチェーンの構築を進める予定です。

集中するリソースと新たな未来



リファインバースは、エアバッグの回収ネットワークを全国に拡大し続け、発展させています。現在、約30の都道府県で回収活動を行い、エアバッグが再生される工場では、「REAMIDE®」が誕生しています。この素材は、ほかにも建材や結束用バンドなどさまざまな商品に利用され、持続可能な社会の実現に貢献しています。

まとめ



リファインバースがエアバッグ由来のナイロン66樹脂開発に乗り出すことで、循環型社会の実現に向けた大きな一歩が踏み出されました。今後の展開にも期待が高まります。リファインバースは「誰にもない視点と技術で、未来の富をつないでいく」を掲げ、リサイクル素材の開発及び新たなバイオ素材「ReFEZER」などの研究に取り組み続けています。


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