日本と東南アジアを結ぶ新たな投資ファンド「ジャパン・テーマファンド」の設立
シンガポールに本社を持つ独立系ベンチャーキャピタル、スパイラル・ベンチャーズと、インドネシアの巨大企業シナルマスグループのコーポレートベンチャーキャピタル、Living Lab Venturesが共同で設立した「シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド合同会社」が、その名も「ジャパン・テーマファンド」を立ち上げました。この新しいファンドは、日本と東南アジア、特にインドネシアのスタートアップエコシステムを結びつけ、お互いの強みを活かして新しいビジネスの創出と経済価値の共創を狙っています。
ファンドの概要
このファンドは、総資産が5,000万から1億米ドルを目標としており、日本企業と東南アジアのスタートアップが新たな協業の可能性を見出すことを目指しています。インドネシアなどの有望スタートアップへの投資を通じて、日本企業が現地市場に進出する手助けや、日本発のスタートアップが東南アジアでの展開を図るための支援を行います。
出資者には、日本の官民ファンドであるクールジャパン機構、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のバンク・ダナモン・インドネシア、ロート製薬、アドバサ、カルチュア・コンビニエンス・クラブなど、多彩な企業が名を連ねています。
設立の背景
現在、日本国内のスタートアップ投資市場は急成長を遂げており、2024年には約200億米ドル、2033年には858億米ドルにまで拡大すると予測されています。一方で、東南アジアではデジタル化と若年層人口の増加に伴い、多くの新しいテクノロジー企業が誕生しています。2023年には、スタートアップ投資が約270億米ドルに達し、インドネシア、シンガポール、ベトナムなどで堅調な成長が見られ、特にフィンテックやヘルスケア、クリーンテック、AIなどの分野では次々とユニコーン企業が生まれています。
こうしたトレンドを背景に、ジャパン・テーマファンドは日本の高い技術や経営力と、東南アジアの市場の成長性を組み合わせることで、両地域に新たな価値を提供し、発展に寄与することを目指しています。
スパイラル・ベンチャーズCEOのコメント
代表取締役社長の堀口雄二氏は、「ジャパン・テーマファンドは資金提供だけでなく、日本と東南アジアのビジネスエコシステムを結ぶ鍵です。日本の技術と経営力が東南アジアの市場特性と融合することで、革新的な事業モデルや社会的価値の創出を促進し、『アジア発のグローバルイノベーション』を加速できると信じています」と述べています。
また、日本のスタートアップが国際市場に挑戦しようとする中で、東南アジアは非常に魅力的な市場であるものの、単独での進出は難しいため、シナルマスグループが持つビジネス資産とスパイラル・ベンチャーズが構築したグローバル投資家ネットワークを活用して、日本企業の海外展開を総合的にサポートしていきます。
堀口氏は、今回のファンド設立を通じて、LLVや投資者と長期にわたり持続可能な成果を目指す共同の道を築く意欲を示しています。
シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド合同会社の概要
- - 設立:2025年
- - 所在地:東京都渋谷区
- - 社員:Spiral Ventures Pte. Ltd.、Living Lab Frontier Investment Pte. Ltd.
- - ファンド総額:最終的に1億ドルを目指す
- - ファンド期間:2034年3月末最長
スパイラル・ベンチャーズについて
- - 設立:2012年
- - 所在地:シンガポール、ラッフルズホテルアーケード
- - 代表パートナー:堀口雄二
- - 事業内容:東南アジア・インドを中心にしたベンチャーキャピタル投資
Living Lab Venturesについて
- - 設立:2021年
- - 所在地:インドネシア、シナールマスランドプラザ
- - 代表パートナー:Mulyawan Gani
- - 事業内容:ベンチャーキャピタル事業
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