空間殺菌技術
2025-11-13 14:30:26
世界初!深紫外LEDによるコンサートホールの空間殺菌技術
世界初の深紫外LED空間殺菌システム
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の研究グループは、コンサートホールのような広大な空間で、浮遊するウイルスを安全に、迅速に不活性化する新しいシステムを開発しました。この技術は、特に大勢の聴衆が集まるイベントでの感染症対策に役立つことが期待されています。
深紫外LEDがもたらす新たな可能性
今回開発されたシステムは、高強度な深紫外LEDを用い、上層空間のみに選択的に照射を行います。これにより、下層にいる観客への安全性が保たれたまま、浮遊ウイルスを99.9%不活性化することが可能です。従来の水銀ランプを使用した方法と比べ、ウイルス不活性化に要する時間を72%も短縮しました。これにより、大規模なコンサートホールでも効率的な空気殺菌が実現します。
技術の具体的な仕組み
研究チームは、深紫外LEDの配光角を精密に制御する技術を開発し、大型ホールの上層空間に.deep紫外光を照射するモジュールを設計しました。ウイルスを含む下層空気は、設置された送風ファンによって上層に素早く送られ、そこで深紫外光によって不活性化されるのです。これにより、清浄な空気が再び下層に循環し、観客席の安全を確保することができます。
実証実験とその結果
実際に、熊谷文化創造館さくらめいと・太陽のホールにこのシステムを設置し、客席が満席の状態での安全運用が確認されました。ホールの容積は9,200m³であり、そこで浮遊するヒトコロナウイルス229Eを99.9%不活性化するのに要する時間は、わずか42分という短い時間で済みました。
新しい時代への期待
この技術が普及すれば、将来のパンデミック対策として重要な役割を果たすことが期待されます。エアロゾル感染による感染拡大を防ぐために、国民の健康と安全を守る新たな手段になるでしょう。さらに、NICTは今後もこの技術の社会実装に向けた取り組みを進め、持続可能で安全な社会の実現に貢献する意向です。
まとめ
コンサートホールのような大空間での感染リスクを低減するために、深紫外LEDを用いた殺菌技術は画期的な解決策となるでしょう。この新しい技術が普及することで、安全なイベントが実現し、人々が安心して集まることができる未来が待っています。今後の展開に注目が集まります。