板橋の特別展示
2025-04-10 10:55:21

板橋区立美術館で大正から昭和を振り返る特別展示開催

展示概要



東京都板橋区に位置する板橋区立美術館では、2025年4月26日から6月15日まで特別展示「館蔵品展 あの時の風景(特集展示 あの風景を見つめる目)」が開催されます。この展示では、大正から昭和、さらに戦後までの時代を通じた東京の風景を描いた作品が紹介され、画家たちの独自の視点を通じて、当時の東京の姿が鮮やかに蘇ります。

風景の背景



東京は、時間の流れと共にその姿を大きく変えてきました。特に大正から昭和にかけては、街の風景が大きく変化し、画家たちはその実際の風景を描くだけでなく、シュルレアリスムの影響を受けた幻想的な世界も表現しました。今回の展示では、この期間に所蔵された作品や寄託作品を通じて、時代を象徴する風景を描いた画家たちの作品を展示し、歴史的な視点からの理解を深めます。

特集展示の内容



特に注目すべきは、同時開催の特集展示です。この展示では、変わり行く風景を描いた画家たちの眼差しを主軸に、所蔵されている自画像や肖像画を一堂に集めます。自身の時代を反映させながら、どのように彼らが風景を切り取ったのかを考える機会となります。

長谷川利行の作品



特に昨年度に寄託された長谷川利行の1930年代の東京の描写は見逃せません。銀座や新宿といった近代文化の最前線を描いた彼の作品には、当時の喧騒が見事に表現されています。しかし、1940年頃には、東京の風景は軍事的な色合いが強くなり、利行自身も板橋の養育院で命を落とす運命にありました。その背景には、スケッチが禁止される中での画家たちの苦悩や、戦争の影響が色濃く反映されています。

シュルレアリスムの影響



また、当時の画家たちの作品に見られるシュルレアリスムは、戦時中の現実逃避的な願望が表現されているとも言われています。戦後、高度経済成長期に突入した日本では、新たに描かれる風景も現れ、その中には社会の諸問題が色濃く現れています。こうした「風景」を通して、当時の画家たちが抱いたさまざまな想いを読み解くことができるのです。

イベント情報



展示に合わせて、さまざまな関連イベントも開催されます。以下にその一部を紹介します。

講演会


「長谷川利行の1930年代、隅田川岸をさまよう」
  • - 日時:4月26日(土)14時00分~15時30分(開場13時30分)
  • - 講師:原田光氏(美術史家)
  • - 定員:60名(先着順)
  • - 参加費:無料(事前申込不要)
  • - 会場:当館1階講義室

美術講座


「探検!発見!風景画」
  • - 日時:5月10日(土)14時00分~15時30分(開場13時30分)
  • - 講師:弘中智子(当館学芸員)
  • - 定員:20名(要事前申込)
  • - 参加費:500円
  • - 申込:4月26日(土)9時より、電話(03-3979-3251)にて受付開始

ギャラリートーク


  • - 実施日:5月3日(祝)、5月17日(土)
  • - 時間:いずれも14時00分~14時30分
  • - 参加費:無料(事前申込不要)

開催情報


  • - 会場:板橋区立美術館(東京都板橋区赤塚5-34-27)
  • - 観覧料:無料
  • - 開館日時:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)、月曜日休館(ただし5月5日・6日は開館、7日は休館)

この特別展示を通じて、画家たちが捉えた風景と共に、昭和の時代の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。


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