環境への配慮と安全機能を融合
株式会社加藤製作所が新たに発表した130トン吊りのオールテレーンクレーン「KA-1300R」は、業界に新たな風を吹き込むモデルです。2025年1月の発売を予定しており、標準小売価格は1億8000万円(税別)からとなります。
開発の背景
この新型クレーンは、既存モデルの各種性能を受け継ぎつつ、キャリヤをモデルチェンジすることでさらなる安全性と作業性を実現しています。特に、最新の排出ガス規制である欧州Stage Vに適合した新エンジンを搭載することにより、環境負荷の軽減にも貢献。加藤社長は「今後も安全性と環境への配慮を両立させた製品の開発を進めていく」との意気込みを明かしています。
環境への配慮
「KA-1300R」には、Daimler製エンジンが搭載されており、最高出力390kW、最大トルク2,600N・mを誇ります。また、尿素SCR排出ガス後処理装置とDPFが一体となった新型後処理装置を新たに採用しており、粒子状物質の排出を大幅に削減します。この製品は、国土交通省からも「超低騒音型建設機械」の指定を取得しており、騒音への配慮もされています。
強化された安全機能
新型クレーンは、安全機能も強化されており、特に側方衝突警報装置が新たに標準装備されました。この装置はレーダーセンサーを使い、左方に接近する自転車や歩行者を検知。事故のリスクを低減し、安全運転をサポートします。
クレーン性能
「KA-1300R」は、6段の高剛性フルパワーブームを採用しており、最大吊上げ能力は130トン、ブーム長さは52メートル、作業半径は最大48メートルです。さらに、4段SLジブの最大吊上げ能力は7トンで、最大地上揚程は79.6メートルに達します。これにより、広範囲での作業が可能となります。
キャリヤ性能
このクレーンのキャリヤは加藤製作所独自に開発されたもので、5軸のクレーン専用キャリヤを搭載しています。特に注目すべきは、電子制御リヤステアリングシステムです。これにより、走行速度に応じた操舵角の自動調整が行われ、安定した走行が確認できます。また、全輪にフルエアーディスクブレーキを装備しており、優れた後処理性能を実現しています。
快適な操縦環境
運転席も特別なデザインが施されており、広いスペースを確保。エアサスシートや仮眠用ベッドの装備により、長時間の運転でも快適さを保つ設計になっています。メンテナンス性も向上しており、簡単にエンジンメンテナンスが行えるハッチが用意されています。新型エアコンも搭載しており、快適な作業環境が整っています。
まとめ
新型オールテレーンクレーン「KA-1300R」は、その性能と機能の進化により、環境への配慮と安全性を兼ね備えた革新的な製品です。現在の建設業界において求められるニーズに見事に応え、今後の活躍が期待されています。