岡山大学が主催した「リアルBiz学生アイデアソン」が2025年3月14日に開催され、岡山県内の中小企業が抱える課題に対して、学生たちが革新的なアイデアを提案する場となりました。このイベントは、岡山県よろず支援拠点とのコラボレーションによるもので、今回で2回目の開催です。
本イベントの目的は、地域の企業が直面している課題を解決するために、学生たちが実践的なアイデアを考案することです。参加者たちは、地域企業における新たな商品やサービスの創出のきっかけをつかむと同時に、育成されたアントレプレナーシップを活かす機会を得ることを狙っています。
今回、学生たちが挑戦したのは、「頭島あかりまつり実行委員会」、「有限会社大滝餅」、「日の丸タクシー株式会社」の3社から出された課題です。それぞれの企業が抱える問題に対して、学生たちはグループワークを通じてアイデアを膨らませ、実践的な意見を持ち寄りました。
特に印象的だったのは、頭島あかりまつりの行灯キットの商品化に関するテーマです。岡山操山高等学校の学生たちは、持ち運びが簡単で収納も容易な折りたたみデザインを提案したほか、地域のオリジナルキャラクターの必要性についても意見を出し合いました。これにより学生独自の視点から新たな価値が生まれる可能性が広がりました。
大滝餅が出した課題に対しても、大学生からは若者向けの新商品案や販促手法が提案されました。特に、厚皮な大福の具材を用いた新商品や、公式LINEアカウントを活用したマーケティング戦略には多くの注目が集まりました。ビジュアルを重視し、売上につながるアイデアが学生の斬新な感性として表現されたことは、とても意義深いものでした。
日の丸タクシーからは、貸切バスの稼働率向上を目指した課題が出され、学生たちは同窓会や成人式といった特別イベントとの連携企画や、遠方から市内への定期運行便利用に関するアイデアを発表しました。これらの提案は、地元のニーズに応えるだけでなく、新たな集客のチャンスを生む可能性が広がりました。
参加した学生たちはイベントを通じて、社会人との交流の利点を感じたり、自らの提案が地域貢献に繋がっている実感を持つことができました。参加企業の代表者からも、「学生たちの独特な視点に触れることができ、今後の方向性を考える良い機会だった」といった感謝の声が寄せられました。
岡山大学は、今回のアイデアソンで生まれた様々なアイデアを実現するためのサポートを行い、地域との連携を深めていく方針です。内閣府が推進する「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」なども活用し、地域のニーズに応じた実践的なアイデアソンを今後も開催していく予定です。学生たちの熱意が地域を更に活性化する未来が楽しみです。