公認会計士協会前会長 茂木哲也氏の人生と想い
2025年7月、任期を満了した茂木哲也氏が日本公認会計士協会の会長を退任しました。彼はその職務の傍ら、会計業界の未来に向けた継続的な影響を与えてきました。彼の人生は、会計という職業の発展と社会への理解促進に大きな成果をもたらしています。
幼少期からの情熱
茂木氏は東京の東日暮里に生まれました。大きな町工場を営む家庭で育った彼は、慶応義塾大学の経済学部に進学し、そこで簿記の世界に強く引き込まれました。この経験が、彼の会計士としての道を決定づけることになったのです。彼は公認会計士の資格取得を目指すことになります。
専門家としての成長
早速、茂木氏は太田昭和監査法人(現在のEY新日本有限責任監査法人)に入所し、メガバンクの監査チームに加わります。金融商品についての深い理解を持つことができ、共著の書籍も出版するまでに至りました。また、彼はこの時期に多くの海外出張も経験し、国際的な視野を広げることができました。
公認会計士協会への貢献
茂木氏のキャリアは監査法人で続く一方、1999年には会計制度委員会の専門委員として日本公認会計士協会に関わるようになりました。ここで彼は、国が定めた金融商品会計基準に基づく実務指針の策定に取り組みました。その後も協会の活動に貢献し続け、2013年に理事に就任します。
しかし、2015年に東芝の会計不正が発覚し、茂木氏は急遽監査法人に呼び戻され、組織の立て直しを担う重要な役割を果たしました。彼のリーダーシップのもと、法人は再び運営の安定を取り戻しました。
教育への力を入れる
2019年7月に協会に復帰した彼は、2022年7月から会長を務めることになります。彼が会長に就任して最も意欲的に取り組みたかったのが、教育の強化です。「会計という職業に対する理解を深めることで、若い世代が自信を持ってこの仕事に取り組めるようになる」との信念を持っています。
未来に向けたメッセージ
茂木氏は、会計士としての職業にリスペクトを持って接してもらえるよう、社会全体に対して啓発を続けることが重要であると考えています。彼の人生の軌跡を追ったインタビューは、会計士協会の未来を語る貴重な一端を示しています。
その他の特集内容
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ぜひ、アカウンタンツマガジン79号をご覧いただき、茂木氏の魅力的な人生と未来へのビジョンを感じ取ってみてください。