中小製造業のための新たな試み「HyperJ × Tokkyo.Ai」始動
リーガルテックグループ株式会社(以下、リーガルテックグループ)が新たに展開する「HyperJ × Tokkyo.Ai」は、中小製造業が連携して品質保証と知財防衛を強化するためのデジタル基盤です。特に航空、宇宙、防衛部品産業において、地域全体での共同作業を通じて、個々の企業だけでは達成できなかった課題に対応することを目的としています。
背景:中小企業単独では守れない「品質と技術」
日本では、多くの航空・宇宙・防衛部品が地域の中小企業によって製造されています。しかし、品質管理や技術共有の面でいくつかの障壁が存在します。
- - 品質記録の整備がバラバラなため、納入先からの信頼構築が難しい。これは、企業間での情報が統一されていないことが原因です。
- - 加工ノウハウが共有されず、技術が属人化している。特定の個人に依存する技術は流動性が低く、企業全体の競争力を損ないます。
- - 大手メーカーとの契約には知財交渉の主導権を持てない。これにより、共同開発の際の条件が不利になってしまいます。
これらのジレンマを解決するためには、地域全体での情報共有と連携が不可欠です。
解決策:「HyperJ × Tokkyo.AI」で、連携体の“見える力”を創出
「HyperJ」と「Tokkyo.Ai」の2つのプラットフォームが相互に連携することで、各企業の強みや情報をより効果的に活かせます。
HyperJ:中小企業間で品質トレーサビリティを共通管理
- - 企業間での情報を一元記録・共有し、素材から製品出荷までのトレーサビリティを実現します。
- - 各部品にはQR/NFCコードを発行し、製造者や履歴を明確にすることで、製品の信頼性を向上させます。
- - 共同出荷モデルを構築し、地域ブランドの信頼性を高めます。
Tokkyo.AI:複数企業の強み技術を可視化・防衛
- - 各社が持つ加工ノウハウをAIで棚卸しし、知財の共有と保護を実現します。
- - 類似特許との比較機能を通じて、企業が自身の技術を強化できるよう支援します。
- - 大手企業との契約交渉力を向上させるためのライセンス戦略を強化します。
活用例
ある航空部品クラスターでは、次のような具体的な活用が見られました。
- - HyperJの導入により、10社の共通品質管理テンプレートを整備し、納入先に一括提出することで信頼性が向上しました。
- - Tokkyo.AIでは各社の加工強みを明文化し、その情報を基にした共同出願戦略を展開することができました。
- - 結果として、大手企業との取引拡大や米国企業からのRFPへの対応が可能になりました。
導入メリット
「HyperJ × Tokkyo.AI」を導入することで、次のようなメリットが得られます。
- - 地域単位での品質信頼力と知財力の強化
- - 中小企業であっても大手企業と対等に交渉可能な環境の構築
- - 連携体によるブランド構築と海外対応力の獲得
今後の展開
本モデルは今後、地方自治体や商工会議所、防衛装備庁との連携を強化し、JIS Q 9100適合支援やクラスターブランド認証制度との接続、さらには東北、中部、九州の航空産業クラスターへの導入モデル事業化を目指しています。「技術も信頼も、連携で守る」というコンセプトのもと、地域の中小製造業を“世界仕様”に引き上げる知的インフラとして機能するでしょう。
正確な情報と信頼構築を両立させる「HyperJ × Tokkyo.Ai」。中小企業が新たなチャンスに挑戦するための第一歩を踏み出すために、ぜひご注目ください。