東洋大学とアスマークの産学連携が描く未来
2026年1月30日、東洋大学にて行われた「管理職志向のない定着志向人材の心理的背景」といったテーマを扱ったPBL教育の成果報告会。これには、株式会社アスマークが提供した1万人規模の実証データが活用されており、データに基づいた教育の力を示す重要な一歩となりました。
実践型PBL教育とは
Project-Based Learning(PBL)は、学生が実際のプロジェクトを通じて学ぶ教育手法です。今回のプロジェクトでは、東洋大学経営学部の西村孝史教授のゼミが中心となり、アスマークの提供したデータを分析することで、実際の人事問題に関する具体的な課題解決を目指しました。特に、職場環境に根ざした様々な人事課題「ハラスメントの影響や残業と意欲の関係」をテーマにした分析が進められました。
課題の分析と発見
3つのチームに分かれた学生たちは、それぞれ異なる視点から人事の課題を探求しました。
1. 非管理職キャリア戦略チーム
このチームは、「管理職になりたくないが職場には留まりたい人材」の特性を分析しました。社会的背景として、管理職の業務負担が増大し、昇進の希望が薄れている現状を踏まえた研究が進められ、分析の結果として別の選択肢を提示しました。具体的には、昇進前に「お試し期間」を設けることや、マネジメント研修の強化が提案されています。
2. 職場環境改善チーム
このグループは、ハラスメントが転職や退職に与える影響を探りました。多くの視点からハラスメントがメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、ひいては企業全体の士気を損なう様子を具体的に挙げ、企業としての責任を強調しました。提言としては、問題解決への具体的な取り組み、例えば、フレキシブルな働き方や公正な評価が必要であると訴えました。
3. 人材定着戦略チーム
モチベーションと退職意向の関係を探るこのチームは、サンプルデータをもとに残業時間がどのように従業員の意欲に影響するかを明らかにしました。特に重要だったのが、月45時間の残業が心理的な境界線となることが示唆され、組織内の時間管理とその運用が今後の重要な課題であることが浮き彫りになりました。
結果と今後の展望
報告会では、各チームがまとめた研究結果が発表されました。質疑応答を通じて、さらなるフィードバックが行われ、参加者全員が成長を実感しました。このプロジェクトを通じて、学生たちは実際のデータを扱う苦労と楽しさから多くを学び、社会における人事課題への理解を深めることができました。
インタビュー:西村教授の展望
西村教授へのインタビューでは、今後の研究が人事施策や組織のウェルビーイング向上に寄与することが期待されています。また、今回の調査データを用いた卒業論文作成への活用や、さらなる産学連携の可能性についても言及されました。教授は「課題を抽出し、再構築する力を育てることが重要だ」と強調されています。
産学連携の意義
アスマークのデータ提供は、データに基づく人事管理を広め、教育とビジネスのミスマッチを改善するための重要なステップです。このような活動を通じて、学生たちが社会で活躍する人材へと成長することが期待されています。今後の展開に注目です。