IBD多国籍調査
2025-05-19 11:56:33

潰瘍性大腸炎・クローン病の影響を多国籍調査で解明!

潰瘍性大腸炎・クローン病の影響を多国籍調査で解明!



株式会社グッテとNPO法人Global Healthy Living Foundation(GHLF)は、世界IBDデーにあわせて、炎症性腸疾患(IBD)の患者に対する多国籍調査を実施しました。この調査の目的は、IBDに関する診断の流れと、その後の学業や就労への影響を把握することです。合計203名の患者から回答を得て、日本、アメリカ、イギリス、カナダなどの国々における実態を比較しました。

調査概要



調査は、2025年5月8日から12日に日本、5月7日から11日に海外対象国を対象に行われ、回答者の内訳は以下の通りです:
  • - 日本:52名
  • - アメリカ:98名
  • - イギリス:22名
  • - カナダ:12名
  • - その他国(合計で8カ国):19名

この結果を見てみると、発症から診断されるまでの期間は、日本においては55.8%が「1年未満」と回答したのに対し、海外では32.5%にとどまりました。このことから、日本の患者は比較的早期に診断される傾向が見て取れます。しかし、5年以上かかると回答した患者も日本で21.2%、海外で25.2%と一定数存在しました。

信頼できる医師へのアクセスの課題



信頼のおける医師や適切な治療に至るまでにかかった時間についても、日本では48.1%が「1年未満」と答えていますが、海外はこれが20.5%に過ぎません。この差は、医師の情報に対する信頼や、専門医へのアクセスの難しさによるものが大きいと考えられます。患者たちの自由記述からは、IBDに対する知識の不足や、症状の認識に困難を伴うことが診断の遅れを引き起こしているとの声が上がっています。

学業・就労への影響



IBDが学業や就労に与える影響についても調査を行い、学業への影響を「ある程度」「かなり」「とても」と回答した人が、日本で57.7%、海外対象国で62.8%に達しました。また、就労においては日本の患者の90.4%が何らかの影響を受けているとのこと。この調査結果から、IBDは国を超えた大きな課題であることが明らかになりました。

結論と今後の展望



この調査からは、日本のIBD患者が海外に比べ比較的早期に診断を受けやすいという特徴が示されましたが、国を問わずIBDが学業や仕事に及ぼす影響は深刻で、多くの患者がそれに悩まされています。今後もグッテとGHLFは、患者の声を社会に届けることに全力を注ぎ、さまざまなステークホルダーと連携してIBD患者が直面する課題解決に向けた取り組みを進めていきます。これにより、IBDに対する理解と支援がさらに広まることを期待しています。他国の患者と共に考えることで、さらなる解決策を見つけ出す助けになればと思います。

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参考リンク



IBDの問題を考える上で、この調査結果が少しでも多くの方々に届くことを願います。


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