シュナイダーエレクトリック、次世代GPU支援のDC800V電源システムを発表

シュナイダーエレクトリックと次世代GPUの融合

2023年10月13日、シュナイダーエレクトリックが北米マサチューセッツ州ボストンで発表した新しいDC800V電源システムは、次世代データセンターに必要不可欠な要素として注目を集めています。この革新的なシステムは、NVIDIAの次世代GPUを支えることを目的としており、性能と拡張性の最適化を実現しています。

DC800V電源システムの特徴

シュナイダーエレクトリックは、電力の変換、保護、計測を統合した包括的なシステムアプローチを採用しています。このアプローチは、データセンターの安全性を確保し、効率的な運用を支えるものです。データセンター担当のCTO、Jim Simonelli氏は「DC800Vへの移行はコンピュート密度の向上に伴う自然な進化」と述べ、顧客が安全にこの移行を行えるよう支援することへの約束を語っています。

今後のデータセンターにおいては、従来の54ボルト配電システムでは不足しがちなエネルギー供給が求められています。そこで登場したのが、シュナイダーエレクトリックとNVIDIAが共同開発したサイドカー型のDC800Vシステムです。このシステムは、最大1.2MWのラックへの電力供給を可能にし、効率的かつ安全な電力供給を実現します。

サイドカー型DC800Vシステムの利点

サイドカー型DC800Vシステムは、以下の優れた特徴を備えています：

- 業界一の効率性を誇る：エネルギー効率を最大限に高める設計が施されています。
- モジュール式電力変換シェルフ：必要に応じて拡張が可能なため、将来的なニーズにも対応可能です。
- 短期バックアップと負荷平滑化機能を搭載：安定した電力供給を維持します。
- ライブスワップ対応：運用中でもメンテナンスが行えるため、操業の中断を最小限に抑えられます。

シュナイダーエレクトリックの全体を見据えたシステムアプローチは、個々のコンポーネントに焦点を当てるだけでなく、電力インフラ全体を評価することによって実現されています。このような包括的な視点に基づく設計によって、顧客は高密度ラック環境に必要な信頼性を確保できるのです。

安全性と信頼性の追求

シュナイダーエレクトリックは、長年の経験を通じて培った電力信頼性と安全性への理解があります。この新しいDC800Vシステムは、実環境での性能を確認するために、徹底した故障電流およびアーク放電解析を行い、メンテナンス中の安全性を高めるライブスワップ機能も備えています。顧客はこれにより、高い電力供給の信頼性を確保しつつ、運用を進めることができます。

NVIDIAとの強力なパートナーシップ

シュナイダーエレクトリックは、NVIDIAとの提携を基に次世代アーキテクチャのさらなる変革を支えています。NVIDIAのHPC、クラウド、AIインフラストラクチャソリューションのGTM担当ディレクター、Dion Harris氏は「AIインフラの基盤を形成するスケーラブルなパワーアーキテクチャを目指しています」と語り、今後も進化し続ける両者の関係に期待を寄せています。

未来を見据えた取り組み

シュナイダーエレクトリックの目指す「Life Is On」というビジョンは、持続可能性と効率性を追求するだけでなく、すべての人々にサステナブルな未来を提供することにあります。160,000人の従業員と100万人以上のパートナーが築いたエコシステムを駆使し、シュナイダーエレクトリックは今後もイノベーションを続け、競争力のあるソリューションを提供していくことでしょう。データセンターの未来を支えるこの新しいDC800V電源システムに注目が集まります。