グンゼがサステナブルな再生ハンガーを開発、資源循環社会へ向けての取り組み

グンゼが進める資源循環型社会への一歩

アパレル業界で注目を集めるグンゼ株式会社は、環境保護の観点からサステナブルな取り組みを強化している。特に、同社は廃棄プラスチックからPCR（ポストコンシューマーリサイクル）材を100%使用した「再生ハンガー」の開発に成功した。

環境問題への意識

近年、世界的に環境問題への関心が高まり、企業もその対応を求められている。グンゼは「全社廃棄物の再資源化」を目指しており、特に資源の再利用に力を入れている。今回開発した「再生ハンガー」は、主にチェーンストアで取扱うインナーウェアの商品に使用される予定であり、年間で35万本を見込んでいる。

サプライヤーとの協業で実現

この取り組みは、グンゼのグループ会社であるグンゼ物流株式会社の物流拠点から出る廃棄プラスチックを原料としたものである。具体的には、岡山県貨物運送株式会社、マツダ株式会社、株式会社CHU-PAの4社が協力して、資源循環を目的としたサプライチェーンを構築した。グンゼの物流拠点で廃棄される商品包装用の軟質ポリ袋を原料として、各社が役割を分担しながらプロジェクトを進めている。

廃棄プラスチックの再利用の流れ

まず、岡山県貨物運送が回収した廃プラスチックを、マツダへ運び込まれる。このプラスチックは粉砕され、再生原料へと変換される。その後、株式会社CHU-PAがこの再生原料を使い、紳士用ハンガーを製造する。このハンガーは、環境に配慮した製品として、グンゼの販売するインナーウェアに使用される。

さらなる発展を目指して

グンゼは今後も、物流倉庫や工場の拠点を拡大し、全社的な廃棄物の再資源化を加速させる方針を示している。このような取り組みは、単に企業の利益追求だけでなく、資源循環型社会の実現に寄与するものであり、持続可能な未来に向けた重要なステップとなるだろう。

参加企業のコメント

本プロジェクトには、協力企業それぞれの強みが活かされている。岡山県貨物運送は、物流業界の課題として、環境に配慮した新たな事業の必要性を感じており、グンゼとのパートナーシップを通じてリサイクル事業の構築を図っている。また、マツダは環境への配慮を経営理念に掲げ、廃棄物の課題に取り組んでいる。安定した輸送と製造プロセスの確立も、今回の協業の成果である。

一方、CHU-PAは、環境への配慮を強化するため、再生材を使用したハンガーの製造に今後も積極的に取り組むという。