福島県会津若松市が新たに導入したAIエージェント「AIさくらさん」
福島県会津若松市の新庁舎に、全国初となる行政窓口のAIエージェント「AIさくらさん」が登場しました。この新しいサービスは、株式会社ティファナ・ドットコムが開発したもので、2025年5月7日から正式に稼働を開始します。
AIエージェントによる新しい行政サービス
「AIさくらさん」は、来庁者が話しかけることによって、行政手続きや各種案内を行うアバター型の接客AIで、さらに5月下旬からはAI電話も導入され、24時間自動応答サービスが提供されます。この取り組みは、市民サービスの利便性を向上させるだけでなく、窓口業務の効率化をも実現します。
このAIは日本語はもちろん、英語、中国語、韓国語、タイ語に対応しており、多様な市民のニーズに応えることができるため、外国人住民や観光客にも優しい行政窓口を目指しています。
新庁舎とその設立背景
新庁舎は昭和12年に建設された旧庁舎の老朽化を受けて整備され、この新しい施設は、歴史的価値の保存を重視しつつ、防災性や環境配慮、デジタル技術の進化を取り入れた“未来型行政拠点”として機能します。
この背景のなか、AIさくらさんは特に「誰にでもわかりやすい行政案内」を実現するために導入され、多言語対応の特性を活かして市民との接点を強化する役割を果たします。
AIさくらさんの機能
新庁舎の1階総合案内窓口に設置されるAIさくらさんは、画面上のキャラクターが来庁者の質問に対して即時応答を行います。これにより、窓口での待ち時間を軽減し、スムーズに必要な情報を得ることができます。多言語対応の他に、非対面でのやり取りによって感染症対策にも対応しています。
また、AI電話サービスも導入され、特定の電話番号にかけると、24時間365日自動応答する仕組みです。これにより、開庁時間外でも行政情報を受け取ることが可能となり、市民にとっての利便性が向上します。
多文化共生に資する取り組み
特に注目すべきは、タイ語による案内が初めて導入される点です。これは多文化共生を推進する会津若松市の先進的な試みとして評価され、今後さらなる多言語対応も期待されています。
今後の展望と市民ニーズへの対応
今後も市民からのフィードバックを基に、機能の改善が行われる予定です。会津若松市では、「市民ニーズに寄り添ったデジタル化」を進め、より便利な窓口サービスを提供することが目指されています。
AIさくらさんは、手続きに不慣れな高齢者や外国人住民にもわかりやすく案内を行い、情報の格差を解消するためにも重要な役割を果たします。誰もが快適に行政サービスを利用できる環境づくりに向け、最先端の技術を駆使して新たなスタンダードを築いていく姿勢が伺えます。
おわりに
「AIさくらさん」は、業務の効率化と市民サービスの向上を実現するために設計された次世代の行政窓口です。これにより、会津若松市が掲げる“開かれた行政”がさらに進むことが期待されています。市民一人ひとりの声に耳を傾け、今後もこのプロジェクトが充実していくことを望みます。