AIと日本文化の融合が生み出す新しい「所作」
2025年春、待望の大阪・関西万博が開催されますが、その中で注目されているのが、東京都渋谷区に拠点を置く株式会社KiQの取り組みです。代表の菊地あかね氏率いるKiQは、万博の石黒浩・シグネチャーパビリオン「いのちの未来」において、ヒューマノイドの所作と人との関わり方の設計・デザインを担当しています。このプロジェクトは、石黒浩氏のビジョンの下、数年にわたって共創を重ねてきた成果です。
身体知に基づくデザインのアプローチ
KiQは「Design for Humanity」の理念のもと、アートやサイエンス、テクノロジーを横断するR&D型クリエイティブスタジオです。人間の本質に響くデザインを追求し、身体知に基づく非言語コミュニケーションや把握する知識を活用したデザイン開発を行っています。特に、日本文化に根差した身体的ふるまいの豊かさを活かし、ヒューマノイドのUI/UXや空間設計に活用しています。
万博パビリオン内のヒューマノイド紹介
ヤマトロイド
ヤマトロイドは、関西万博を機に誕生したアンドロイドアバターで、大和の精神を反映しています。このヒューマノイドは、日本の心を宿しており、フィジカルアバターを介して極めて美しい所作を持つ未来の人々の姿を模しています。将来的には、ユーザーが自分のパーツを選ぶ際に、見返り美人のような美しさや優雅さを意識した動作を提供しています。
アスカロイド
アスカロイドは、子供のために設計されたアンドロイドアバターです。歴史的な名所である法隆寺や高松塚古墳などからインスパイアを受け、このアバターは遊び心に満ちた柔軟な動きが特徴です。彼女の所作には、自主性が反映され、自然な意志がその動きに表れています。
未来の身体と所作
万博内には、1000年後の人間をイメージしたゾーンもあります。ここでは、身体の制約を超えた未来の人々が優雅な所作を持ち、来場者と感覚的に対話するインスタレーションとしての役割を果たします。このように、様々なヒューマノイドたちが、言葉を超えたコミュニケーションを実現しています。
文化と技術が交差する場
代表の菊地あかね氏は、「ふるまいを変えることは、未来を変えること。」という言葉を残しています。また、プロデューサー石黒浩氏も、「人間はテクノロジーによってその能力を拡張してきた」と述べており、ヒューマノイドやAIとの調和的な共存が人間の可能性を広げることに期待を寄せています。
Shosa Labとしての展開
これを皮切りに、KiQは「Shosa Lab」の日米展開を進め、アメリカと連携したR&Dやプロトタイプ開発を行います。文化資源としての身体性を活かし、国際展開を促進する予定です。
KiQについて
株式会社KiQは、東京を拠点にするラボ併設型のクリエイティブスタジオで、「Design for Humanity」を掲げています。アートと科学、テクノロジーの融合を通じて、人間の感性や文化知を活かしたプロジェクトを国内外に展開しています。
まとめ
2025年の大阪・関西万博では、AIと日本文化の交差による新たな所作とヒューマノイドたちの未来を体感することができます。技術と人間性が調和した未来に期待が高まります。