FSC生態系サービス国際フォーラムの開催
2025年3月28日、東京にて「FSC生態系サービス国際フォーラム」が開催されました。このイベントは、FSC(森林管理協議会)の普及啓発を目的としたもので、94名の参加があり、さまざまな業界からの方々が集まりました。
イベントの趣旨
FSCジャパン(特定非営利活動法人日本森林管理協議会)が主催し、最近注目を集めるテーマ「ネイチャーポジティブ」に基づいて、企業の情報開示や生態系サービスの重要性が強調される中、FSCの生態系サービス効果検証ツールに関する紹介が行われました。このイベントは、持続可能な森林利用の推進や、その認証を受けた製品の利用を促進する一環として行われています。
基調講演
基調講演では、株式会社レスポンスアビリティの代表取締役である足立直樹氏が登壇しました。氏は、ネイチャーポジティブの実現には企業の役割が不可欠であることを強調しました。特に、企業が自然資本に依存している現状を指摘し、持続可能な取り組みが急務であると述べました。さらに、足立氏は企業がどのようにして生物多様性への配慮を組織の戦略に組み込むべきかについても言及しました。
国際的な視点
続いて、FSC国際事務局から来日したRocky Iskandar氏とMaria Wowro氏が登壇し、グリーンウォッシングのリスクを避けるための質の高い情報の重要性を訴えました。彼らは、FSCの効果検証ツールを通じて、大枠の国際枠組みに沿った報告が可能であることを説明しました。このツールを活用することで、企業は生態系サービスの測定や、その成果を可視化することができ、持続可能な経済活動への道を開くことができます。
パネルディスカッション
分科会では、「森林の生態系サービスの可視化と価値化」がテーマとして取り上げられ、パネリストには、FSC国際事務局のMaria Wowro氏のほか、三井住友フィナンシャルグループの松岡哲也氏、立教大学の永石文明氏、南三陸森林管理協議会の佐藤太一氏が参加しました。パネル討論では、森が提供する多様な価値の見える化や、経済的還元の仕組みについて熱い議論が交わされました。
参加者の意見
イベントの終了後、参加者からは情報交換の機会が非常に貴重だったとの声や、FSCの効果検証ツールに関するさらなる教育の重要性が指摘されました。また、他の地域で成功した事例にも関心が寄せられ、今後の交流に期待が寄せられました。
今後の展望
FSCジャパンは「ネイチャーポジティブ」が実現されるよう、引き続き情報発信を行ってまいります。企業や自治体がFSC認証を通じて持続可能な取り組みを広めることで、私たちの環境保全や経済の発展に寄与できるよう努めていきます。特にMizukamiやTNFDといったフレームワークに沿った行動が求められる現代において、このような必要な情報がどのように流通していくかが今後の課題です。
開催概要
- - 名称:FSC 生態系サービス国際フォーラム
- - 日時:2025年3月28日(金)13:00~17:00
- - 会場:プラザエフ 地下二階 東京都千代田区六番町15番地
- - 主催:FSCジャパン
今後もFSCジャパンの活動にご注目ください。公式ウェブサイトやSNSで最新情報が提供されています。