業界初のCFP算定報告書が登場
日本精工株式会社(NSK)は、脱炭素社会の実現に向けた一環として、鉱山設備向け軸受のカーボンフットプリント(CFP)算定報告書を2025年7月28日に公開しました。業界においてCFP算定報告書が発表されるのはこれが初めてです。環境保全意識の高まりとともに、CFPへの関心が集まっており、NSKの取組はその先駆けと言えるでしょう。
CFPとは何か?
CFPは、製品ごとの温室効果ガス排出量を示す指標です。世界中でこの指標が注目される中、日本国内でも環境省が「カーボンフットプリント表示ガイド」を2025年2月に公布しました。その背景には、製品の環境価値を明確にし、市場ニーズを刺激できる可能性があります。でも、このCFP算定は製品ライフサイクル全体のCO₂排出量に基づいているため、透明性の高い情報開示が良質なデータを提供する鍵となります。
NSKのCFP算定報告書について
NSKは、鉱山設備のメンテナンスコスト削減だけでなく、CO₂排出量の削減にも取組んでいます。最近、同社は分解可能な高負荷容量の大形円すいころ軸受を開発し、これを業界初のリコンディショニング(修復による再利用)に対応させました。CFP算定報告書では、製品のライフサイクルにおけるCO₂排出量を明白にしたことも大きな特色です。
CFP算定報告書の詳細
今回の報告書は、環境省が明示した「CFP表示の基本原則」に基づき、以下の項目が開示されています。
- - 算定の目的
- - 対象製品と算定単位
- - 対象とするGHGの種類/ライフサイクル
- - カットオフ基準とシナリオ
- - 使用データの情報
- - 参照ルール
- - 算定結果
- - 調査の限界と今後の方向性
これにより、NSKは信頼性のある情報を発信し、より良い未来に貢献することを目指しています。
報告書の閲覧方法
詳細な内容は、NSKの公式ウェブサイトで確認できます。興味のある方はぜひ一度ご覧になってください。業界初のリコンディショニング対応製品に関する情報も同様にページに掲載されています。
未来に向けたNSKの取り組み
NSKは2035年度にカーボンニュートラルの実現を掲げています。そのためにScope1およびScope2のCO₂排出量を実質ゼロにすることを目標とし、トライボロジー技術やモノづくり技術を駆使して環境貢献型製品を進化させていきます。また、燃料や電力の使用量削減、技術革新、再生可能エネルギーの導入を通じて、製造段階でのCO₂排出を減少させるキャンペーンも行っています。
さらに、使用する材料の選定や物流、廃棄においても環境に配慮し、製品のライフサイクル全体での排出量削減に努める所存です。
企業としてのNSK
NSKは、1916年に日本初の軸受生産を開始以来、100年以上にわたり、数々の革新を続けてきた企業です。世界に約30拠点を持ち、軸受の分野で世界第3位に位置しています。NSKの企業理念は、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全を目指しています。2066年に向けての未来的ビジョンも明確で、世の中の期待に応え続けています。企業としての社会的役割を指針に、開発を続けていく姿勢が印象的です。詳しい情報はNSKのウェブサイトで確認できます。