感覚特性評価ツール
2026-08-12 09:36:47

発達障害児の感覚特性を評価する新たなツールの妥当性が確認

最近、発達障害を持つ児童の感覚特性を評価する際の重要なツール、「Sensory Experience Questionnaire(SEQ)」の日本語版が開発され、その妥当性が確認されました。この研究は、杏林大学を中心に、関西医科大学や筑波大学などの研究グループによって行われ、International Journal『Autism Research』に2026年に掲載されました。

これまで、日本国内において発達障害児の感覚特性を検証するための工具は非常に限られていましたが、SEQの導入により、その環境が一変します。特に自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)を持つ児童たちの感覚反応に関する理解が深まることが期待されています。

研究の背景


近年、感覚過敏や感覚鈍麻など、感覚に関連する課題は、多くの人々に共有されることが増えてきました。ASDに関しては、感覚の異常が診断基準に含まれており、当事者の日常生活に大きな影響を与えているため、こうした感覚特性を理解することは非常に重要です。

ASDの他にもADHDという神経発達障害でも感覚特性が見られることが知られており、これらの特性を適切に評価するツールが求められていました。SEQは、保護者が記入する形式で、感覚の過敏さや鈍さ、刺激への気づきの強さといった側面を評価するために設計されています。

研究成果


研究者たちは、国内のASD児154名と、定型発達児156名を対象にSEQの妥当性を検証しました。SEQの各項目は、強い反応に対する感受性や、反対に反応が鈍い部分、刺激への興味を持つかどうかなど、複数の側面を評価できるのが特徴です。その結果、ASD児の評点、及びADHD併存の児童との比較において、構造的な違いが明らかになりました。

具体的には、ASDのみのグループとADHDを伴うグループでは、感覚全体に関する得点の類似性が低く、これは両者の間に感覚特性の異なりがあることを示唆しています。この新しい見解は、発達特性に応じた感覚支援がどのように行われるべきかを考える上でも重要です。

SEQがもたらす未来の可能性


SEQの日本語版が発表されたことにより、研究者は発達障害の診断や支援において、感覚特性を客観的に評価できる基準を持つことができました。これにより、ASDやADHDの児童に対する個別の支援を充実させ、彼らが日常生活を改善するためのきっかけを作ることが期待されます。

また、SEQを利用することで、発達障害児が持つ感覚特性の全体像を明らかにすることが可能となり、より適切な環境調整やサポートが可能になるでしょう。特に多様な発達特性を持つ児童に対する具体的なアプローチが求められる今、SEQの価値はますます高まっています。今後は、さらなる研究が進むことで、これまで気づかれていなかった特性やその背景に関わる情報も解明されるかもしれません。これにより、発達障害の理解がより一層深まることが期待されます。

SEQの導入は、発達障害を持つ児童に対する新たな理解を促進し、彼らが安心して生活できる環境の整備へとつながる重要なステップであると言えるでしょう。


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