生成AIとSalesforceの連携で業務効率化を実現するフレクトの取り組み

フレクトとエスエーティが進めた生成AI活用による業務改善

株式会社フレクトが、IT機器の第三者保守サービスを提供するエスエーティと連携し、生成AIを用いて業務の効率化を図っています。この取り組みは、Salesforce Einsteinの生成AI機能とData Cloudを活用しており、過去のIT機器の障害対応に関する作業履歴から類似事例を挙げることができます。これにより、社員は迅速かつ的確な障害対応が可能になり、業務の効率化を実現しています。

ITサービス企業エスエーティの役割

エスエーティは、IT機器の延命保守や第3者保守、新システム基盤の設計・構築を手がけている企業で、全国47都道府県で24時間365日のサポート体制を構築しています。過去の障害対応から蓄積された豊富な作業履歴のおかげで、多数のメーカーや機種に対する対応の実績がありますが、その一方で、情報量の多さが迅速な対応の壁となることもありました。

特に新しい社員にとっては、膨大なデータの中から正確な情報を探し出すことが難しく、障害内容の把握や適切な対応策の導出が課題でした。そこで、フレクトは生成AIを利用した新機能を開発しました。

生成AIを利用した新しい対応案

この機能は、過去の作業履歴を基に最適な対応策を提示する仕組みです。Salesforce Einsteinの生成AI機能とData Cloudを駆使することで、必要な情報の検索にかかる手間を大幅に削減、迅速で的確な対応を実現しています。

この新しいシステムでは、顧客特定の情報を含まないため、プライバシーやセキュリティにも配慮されており、顧客体験の向上にもつながっています。エスエーティは、自社の業務工数の削減や応答時間の短縮を実現し、さらに対応の質を均一化し、顧客に「信頼」と「安心」を提供しています。

開発のポイント

1. スピーディな開発サイクル

AIの開発プロジェクトでは、機能の素早い構築とフィードバックによる改善サイクルが必要です。フレクトは、短期間での機能開発を実現するため、トライアル利用とフィードバックを素早く回す取り組みを行っています。これにより、機能開発に要したのは約1ヶ月、AIのチューニングも1ヶ月の2ヶ月間で実現しました。

2. プロンプトの調整

フレクトの強みとして、生成AIのプロンプトが挙げられます。AIに渡せる情報には上限があり、元データの取捨選択が重要です。エスエーティの長文の障害対応作業記録を簡潔に要約し、AIが類似のケースを効果的に提示できるようにしているのです。このようにして信頼性の高い結果を得ることが可能となりました。

今後の期待

この新しいシステムの運用が開始されたことにより、問い合わせ対応の工数削減や対応速度の向上はもちろん、社員の成長支援やナレッジの強化が期待されています。フレクトは今後も企業が生成AIを活用する中で、業務効率化と顧客体験の向上をサポートしていくことでしょう。エスエーティとの共同プロジェクトは、業務改善の新たなモデルとなるかもしれません。

詳細な情報やサービスについては、フレクトの公式サイトをご覧ください。