酒造業の最前線で進化する「もろみ日誌クラウド」
大阪市に本社を構えるラトックシステム株式会社は、酒造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するためのIoTシステム「もろみ日誌クラウド」のアップデート版を発表しました。この新機能の追加は、酒造業界での効率化を図るため、現場の声を反映した重要なステップとなります。
酒造業における現状と課題
酒造現場では、常に温度管理や発酵プロセスの監視、各種帳票作成といった多くの業務が並行して行われています。これらの作業は、品質の安定に不可欠である一方で、業務負担が大きいため、効率化や省力化が強く求められています。ラトックシステムはこのような課題に対処するため、「もろみ日誌クラウド」を開発し、スマホやPCを活用して麹や酒母、もろみの3大工程での温度管理をサポートすることを目指しています。
新機能の詳細
今回のアップデートにより、新たに追加された3つの機能は、酒造現場の業務を一層効率化し、安定した酒質管理を促進します。以下にその概要を紹介します。
1.
SV計画値による温度制御(Windows)
この機能では、温調器の設定温度を事前に登録することができ、計画通りに温度管理が実施されます。これにより、仕込み工程における温度調整の手間を大幅に削減することが可能です。
2.
もろみエール管理指標への対応(Windows)
発酵のプロセスを可視化するための「溶解度」「発酵度」「発酵/溶解比」を、自動的に算出し、グラフ表示や目標との比較が行えます。この機能によって、発酵進捗の把握が容易になります。
3.
複数帳票の一括印刷対応(Windows)
もろみ製造帳と経過簿を事績ごとにまとめて一括印刷できるため、ファイリング管理がより効率的になります。
その他の追加機能
このアップデートでは他にも、温調器の品温とブラインの一括管理、Windowsアプリでの計測器のモニタリング表示、操作ログの保存機能などが新たに加わります。これにより、故障時でも記録を継続することができるため、現場のトラブルシューティングにも対応可能です。
アップデート費用と今後の展望
ライセンス契約を結んでいる企業に対しては、無償でのアップデートが行われます。ラトックシステムは、今後も酒造現場からのニーズを取り入れながら、機能の拡充を進めていく方針です。データ分析や他システムとの連携の強化を通じて、現場の課題解決に直接結びつくサービスの提供を掲げています。
ラトックシステムについて
ラトックシステムは1983年に設立以来、パソコンやスマートフォン関連のハードウェアやソフトウェアを一貫して開発・販売してきました。IoTソリューション事業では、特に顧客の環境に合わせたカスタマイズやクラウド連携を通じて、企業のDXを支援しています。ラトックシステムは、常に最先端の技術と製品を提供し続ける企業です。
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