日本ペイント製「ダンジオーラE下塗」について
日本ペイント株式会社が開発した「ダンジオーラE下塗」が、2025年9月30日付けで国土交通省の新技術情報提供システム、通称NETISに登録されました。これは特に防食性に優れた重防食用塗料であり、鋼構造物の長寿命化を図るとともに、補修作業の時間短縮や効率化を実現しています。
防食性向上の課題と解決策
一般的に、鋼構造物の防食性を高めるためには、素地調整が極めて重要です。特にさびの除去は必須とされていますが、実際の作業現場ではさまざまな制約が存在します。例えば、プラント設備や工場などでは、火気厳禁のため電動工具が使えず、また複雑な構造のために、さびを完全に取り除くことが難しいケースが多いのです。このため、塗り替え後に早期にさびが発生する問題が発生しています。
さらに、沿岸部では海からの塩分などにより腐食が進行しやすく、定期的な塗り替えが欠かせません。このような課題に応えるため、日本ペイントは「ダンジオーラE下塗」の開発に取り組み、2024年10月29日に市場に投入する予定です。
ダンジオーラE下塗の特長
「ダンジオーラE下塗」の最大の特長は、高遮断性とさび転換機能にあります。高遮断性により、防食因子の侵入が抑制され、塗装した後でもさびに対して高い防食力を発揮します。また、さび面に直接塗装できるため、従来必要だった水洗い作業の時間を大幅に削減でき、素地調整の手間も軽減します。
この特性により、「ダンジオーラE下塗」は国指定の重要文化財である若戸大橋の補修工事にも採用されています。この橋は、全国的にも知られる構造物であり、その耐久性と美観を保つために、高品質な防食塗料が必要とされていました。
NETIS登録の意義
「ダンジオーラE下塗」は、上記の特長を活かし、NETISに登録されることで、公共工事においての技術提案時には評価点が加点されることが期待されます。これによって、塗り替え周期の延長や施工工期の短縮に貢献することが可能になり、発注者や施工者双方にとって大きなメリットがあります。
今後の展望
日本ペイントは今後も、高付加価値な製品の開発を続け、社会におけるさまざまな課題解決に貢献していく方針です。「ダンジオーラE下塗」はもちろん、他の製品ラインナップも含めて、常にお客様のニーズに応える製品を目指しています。技術革新を通じて、持続可能な社会の実現にも寄与していくことが期待されます。
まとめ
防食性に特化した「ダンジオーラE下塗」は、国土交通省のNETISに登録された新技術です。効率的な施工と高い防食性能を兼ね備えたこの製品は、今後の公共工事におけるスタンダードとなる可能性を秘めています。日本ペイントの挑戦が、さらなる技術革新をもたらすことに期待が寄せられます。