Sigray社が発表した革新的なナノ3DＸ線顕微鏡の魅力とは？

進化するハイブリッド型ナノ3DＸ線顕微鏡“ApexHybrid-200TM”のご紹介

2025年5月26日、キヤノンマーケティングジャパン株式会社はSigray社製のナノ3DＸ線顕微鏡「ApexHybrid-200TM」の発売を予定しています。本製品は、直交CTと斜めCTの2つのモードを駆使し、最高で400nm以下の高い空間分解能を実現。半導体や新素材の解析に特化した革新的なマシンです。特に、電気自動車向け全固体電池の開発や半導体製品の詳細解析において、その能力が光ります。

多様なモードによる解析の可能性

「ApexHybrid-200TM」は、X線を直交入射と斜入射の切り替えが可能なハイブリッド技術を採用しています。直交入射は高解像度な画像を提供し、細かな構造や微小な欠陥を明確に捉えます。一方、斜入射は大型サンプルの非破壊観察ができ、サンプルの形状を崩すことなく精密な解析を可能にします。この2つのモードによって、さまざまなサイズや形状のサンプルに対応できる能力が生まれています。特許取得済みの「精密角度ラミノグラフィ（Precision Angle Laminography, PAL）」機構により、最大225mmΦまでのサンプルを短時間で計測できます。

新しい時代の研究開発をサポート

半導体業界では、製品の故障解析が複雑化し、多段階の工程で多くの作業時間が必要とされています。「ApexHybrid-200TM」は、その効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。加えて、全固体電池の材料評価や構造解析においても、迅速かつ高精度な解析が求められる中、このナノ3DＸ線顕微鏡が果たす役割は大きいと言えるでしょう。

キヤノンMJの今後の展望

キヤノンMJは、X線分析のニーズが高まる中で、さらなる商品ラインアップの拡充とともに、分析ソリューション事業を拡大する方針です。同社は、「ApexHybrid-200TM」を今後5年間で30台以上販売することを目指しており、ハイブリッド型ナノ3DＸ線顕微鏡の普及が期待されます。

価格と発売日

ハイブリッド型ナノ3DＸ線顕微鏡「ApexHybrid-200TM」は、税別で3～3.5億円で販売される予定です。技術革新が進む中、価格以上にその機能と性能が求められる時代に突入しているため、この製品はまさに業界のスタンダードとなる可能性を秘めています。

まとめ

Sigray社の「ApexHybrid-200TM」は、半導体から電気自動車向け全固体電池の開発まで、広範囲なニーズに応える革新的なナノ3DＸ線顕微鏡です。高品質な解析を手軽に行うことで、研究開発の新しい扉を開く存在になりうるでしょう。

今後、この技術がどのように進化し、私たちの生活を支えるのか、大変楽しみです。