次世代妊活サポートデバイス「kegg」日本市場へ進出
米国のフェムテック企業、Lady Technologies社が開発した家庭用妊活支援デバイス「kegg」が、2025年夏に日本での一般販売を開始することが発表されました。このデバイスは、子宮頸管粘液の変化を解析し、リアルタイムで排卵日や受胎可能期間を予測することができます。また、骨盤底筋トレーニング機能も兼ね備えており、女性の健康を多面的にサポートします。
技術的特長と使用方法
「kegg」は、電気化学インピーダンス分光法(EIS)を用いて、わずか90秒の挿入で生体データを測定します。ユーザーは専用アプリを通じて得られたデータをリアルタイムで確認し、妊活をより効果的にサポートすることが可能です。このデバイスは2024年に日本の医療機器としても正式に登録されました。これまでの販売実績として、米国市場では約5万人以上の妊活サポートに寄与してきた実績があります。
日本市場における重要性
現在、日本では約3組に1組のカップルが妊娠に関する不安を抱えています。一方で、従来の妊活方法にはさまざまな課題があります。基礎体温法や尿検査は、正確性や継続的な観察が難しく、身体的および経済的な負担も大きいのが実情です。また、排卵期を把握するために頻繁に医療機関を訪れることも、患者および医療機関にとって負担となっているのが現状です。
「kegg」を活用することで、家庭でのセルフチェックが容易になり、排卵予測にかかる負担を軽減できます。さらに、妊活の開始を早め、高齢化による治療開始年齢の上昇といった課題にも対応する手助けが期待されています。
これまでの進展と今後の予定
fermata株式会社は、2019年からLady Technologies社との連携を進めており、試験や医療機器の登録などを経て2025年の日本での販売を実現に向けた準備を整えました。この間、各種法令に基づいた申請を行い、日本の市場に特化した製品計画を進めてきました。
一般販売に先立ち、製品説明会を開催し、流通パートナーへの情報提供を行う予定です。具体的な日時は追って発表されるとのことです。
代表者のコメント
fermata株式会社の代表、杉本亜美奈氏は、「約5年の準備を経て『kegg』を日本に紹介できることを嬉しく思います。この取り組みは妊娠を希望する方々にとって、新たな選択肢を提供する大きな一歩となるでしょう」と述べています。このデバイスによって、日本における妊活の形が変わることを期待されています。
一方、Lady Technologies社のCEO、クリスティーナ・カホヨヴァ氏も「keggは日本市場で非常に重要な役割を果たすと確信しています」と、期待を寄せています。
今回の「kegg」の導入は、女性やカップルが自身の健康に主体的に向き合うための新たな道を開くことになるでしょう。