トヨタ・モビリティ基金による新たな取り組み
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、高齢ドライバーの安全運転を支援し、運転寿命を延ばすことを目的とした新サービス「ドラトレ」の実証実験を開始しました。この研究プロジェクトは、高齢者が健康で安全なドライビングライフを送れるように心身の両面からアプローチを図っています。
背景と必要性
昨今、高齢ドライバーによる交通事故は社会問題として注目されています。免許返納という選択肢が増えつつある中、運転寿命と健康寿命の関連性も多くの研究で示されています。TMFでは、株式会社デンソーや東京海上日動と協力し、高齢者の運転支援に向けた様々な実証実験を行ってきました。
特に、運転診断システム「ドラみる」を用いてAI解析技術を活用した実証実験は注目されており、すでに約400名が参加し、そのフィードバックを基に運転行動のリスクを減少させることに成功しています。この結果から、安全運転を持続するためには、ドライバーの意識改革だけでなく、より個別に対応したサポートが必要であることが浮き彫りになりました。
新たなサービス「ドラトレ」
「ドラトレ」は、運転診断と身体トレーニングを融合させた新しい試みです。高齢者がドライビングを続けるために必要な身体能力や反応速度、認知機能を向上させることを目的としています。このサービスを提供するフィットネスジム「SUNNY FLOWS」では、日常的な身体トレーニングに加え、ドライビングシミュレーターを使用して運転に必要な能力を測定することも行っています。これにより、運動している時の感覚と実際の運転での反応について、有度なデータを取得し、それをもとにトレーニングメニューを作成します。
実施内容と具体的なトレーニング
実証実験は2025年11月5日から12月10日まで行われ、65歳以上の高齢ドライバー10名を対象に実施されます。AI駆使の運転診断結果を基にして、個々の参加者に最適な身体トレーニングが提供され、その効果を測定する予定です。具体的には、以下の4つの項目に基づいたトレーニングが行われます。
1. 予想・予期機能系
2. 認知判断機能系
3. 運動制御・調整機能系
4. 下半身筋力強化系
このプログラムを通じて、参加者がどのように身体的に変化していくのか、そしてそれが運転行動にどのように影響するのかを詳細に解析していく予定です。
参画企業とその役割
本プロジェクトには、TMFが全体の企画を担当し、SUNNY FLOWSは参加者の募集やトレーニング提供を行います。また、quantumがプロジェクト全体を見守り、株式会社デンソーは運転診断システム「ドラみる」の提供支援を行い、東京海上日動がサービス設計の支援を担っています。
未来に向けた展望
トヨタ自動車は、創業以来全てのステークホルダーとのコミュニケーションを重視しながら、モビリティを通じた豊かな社会作りを目指してきました。今後も、地域社会の交通安全向上に向けた活動を通じて、全ての人々が安心して運転できる環境作りをさらに進めていくことでしょう。「ドラトレ」の成功がその一端を担うことを期待しています。