理系学生のインターンシップ活用が進化する中での企業の採用戦略

近年、企業による理系学生の採用活動が加速しています。特にインターンシップの重要性が高まっている中で、2025年6月に株式会社LabBaseが行った調査によると、全国349社の企業が理系学生に対する採用戦略を見直しています。今回の記事では、理系人材の採用動向と企業の取り組みを詳しく掘り下げていきます。

1. 採用活動の早期化とインターンシップの役割

理系学生を対象とした採用活動は、早期化の傾向がみられます。調査によれば、4月から採用広報活動を開始する企業が多くなっており、早期の学生確保が生き残りのカギとなっています。特に、8月に実施されるインターンシップが重要で、前年との比較で、参加学生数を確保できた企業が3割程度いる一方で、苦戦している企業も少なくありません。

この早期化により、2年生の12月から選考活動を始める企業も現れ、今後ますます競争が激化すると考えられます。インターンシップは、12月の選考対象者を確保するためにも、企業にとって重要な施策となっています。

2. 理系学生の採用の現状と課題

実際、調査の結果からは、理系学生の採用において約半数の企業が「とても苦戦した」または「やや苦戦した」と回答しており、採用ニーズはあるのに対し、適合する人材の確保が思うように進んでいない状況が見て取れます。特に生産技術職や設計開発職での苦戦が顕著で、対応に頭を悩ませている企業からの声が聞かれます。

また、大学訪問や説明会のみならず、インターンシップは理系学生にとっての職務体験の場としても重要視されており、学生が企業の実情を知り、ポジティブな印象を持つ契機ともなっているのです。

3. 新たな就職スタイルとしての「初期配属確約型採用」

最近の傾向として、理系学生の「就社」から「就職」への意識の変化が見られます。従来の名の知れた企業に入る意欲から、自分の研究や興味を重視する傾向が強まり、初期配属を確約する企業が増加しています。約半数の企業がこの手法を取り入れており、27年卒の採用活動においても拡大する見込みです。

このような変化は、理系学生に対する企業のアプローチの仕方を変革し、より効率的に人材を確保する手助けとなります。学生にとっても自分の興味に合った職務において自らの能力を発揮できるチャンスを得ることができ、効率的なマッチングが期待されるでしょう。

4. 企業のインターンシップ活用がもたらす効果

インターンシップを経て、参加した学生の57.6％が早期選考に案内され、22.6％が書類選考を免除されています。特に夏のインターンで高評価を得た学生は、免除される確率が高くなることは、企業にとってもインターンシップが優秀な人材を見極める有効手段であることを示しています。

また、従来のキャンパスリクルーティングと比較して、職務体験を通じて企業の雰囲気を感じることができるため、インターン参加が学生にとって魅力的な選択肢となるでしょう。企業は自社の魅力を直接伝えられるチャンスとなり、新卒採用における有効な手法として確立されていくことでしょう。

5. まとめ

現在の採用市場において、理系学生の採用活動は競争が激化していますが、企業はインターンシップを活用した戦略を強化しています。この流れは一過性のものではなく、今後も加速していくことが予想されます。自社に合った優秀な人材を獲得するために、企業はより柔軟で合理的な採用手法を適応していくことが必要です。_

会社概要によれば、株式会社LabBaseは、理系学生と企業をつなぐキャリアサービスを運営し、研究エンパワープラットフォームの創造を目指しています。これからの採用市場において、今後の展望にも期待が寄せられます。