太陽光発電の未来を守る新しいシステム
近年、カーボンニュートラルの実現に向けた太陽光発電の普及が進んでいます。しかし、発電所はサイバー攻撃の標的となることが増えており、その脆弱性が問題視されています。経済産業省のワーキンググループでもこの課題についての議論が活発化しており、特に50kW未満の小規模太陽光発電所ではサイバーセキュリティに関する明確な基準が整っていないことが懸念されています。
この状況に対応すべく、株式会社オルテナジーが新たに開発した次世代遠隔監視システム『ソーラーグリッドPPH』は、太陽光発電および分散型エネルギーシステムに特化したもので、強固なセキュリティ環境を構築することに成功しました。これにより、発電所をハッキングや情報漏洩といったサイバー攻撃から守ることが可能となります。
強固なセキュリティ環境の構築
『ソラグリPPH』は独自に開発したモバイル専用網を使用し、インターネットへの直接的な接続を避けることで発電所へのアクセスを遮断します。もし不正アクセスを受けた場合でも、迷路のような構造によって攻撃者がたどり着くことを難しくしています。この技術は従来の遠隔監視システムの脆弱性を大きく改善するものです。
また、Amazon Web Services(AWS)上の安全な環境で運用し、二要素認証やタイムアウト機能を取り入れた専用のアクセス方式を備えています。これにより、正規の管理者のみが遠隔操作できるようになり、セキュリティが著しく向上しています。
小規模発電所にも優しい導入
『ソラグリPPH』は、規模を問わず導入が可能なシンプルな設計を実現しました。特に小規模な低圧太陽光発電所にも安価で手軽に導入できるため、多くの事業者にとって利用価値の高いシステムとなります。ファーウェイ製のパワーコンディショナーを使う際には、通常のモニタリングシステムに必要なゲートウェイが不要という特長もあります。この仕組みにより、発電所の管理コストを大幅に削減できるのです。
一元管理に関する機能
『ソラグリPPH』では、発電所の状態を「異常」「注意」「正常」の3つのカテゴリーで表示することができます。また、各デバイスの状況を「故障」「要現場確認」「要分析」「経過観察」に分類し、問題が発生した際の切り分け業務の負荷を軽減します。地域や稼働開始日、施工会社、運営管理会社などの情報も詳しく管理でき、より効率的な運用をサポートします。
今後の展開
さらに、『ソラグリPPH』は太陽光発電所の維持・管理を助けるための便利な機能も多岐にわたって搭載されています。パワーコンディショナーごとのエラー履歴を表示したり、日射量や気温、積雪量といった気象データを収集し、ダウンロードできる機能も順次追加予定です。
今後も、株式会社オルテナジーは分散型エネルギーのセキュリティ対策を強化し、さらなる効率化を進めてまいります。太陽光発電の未来を守るための取り組みを是非知っていただきたいと思います。