LGTが2025年上半期に大幅な増益を達成した要因とは

LGTの2025年上半期の業績概要

リヒテンシュタイン公爵家が所有する国際的なプライベートバンキングおよびアセットマネジメントグループのLGTが、2025年上半期に前年同期比38%の大幅な増益を達成しました。この成果は、国際戦略の着実な実行と厳格なコスト管理により実現されました。

総営業収益の推移

2025年上半期、LGTの総営業収益は前年同期比10%増の14億2,000万スイスフランに達しました。特に、サービス収益の増加が顕著で、顧客活動の活発化によって同収益が10%増加しました。一方で、純金利収益は17%減少しましたが、外国為替取引の活況によってトレーディング収益およびその他営業収益は35%増となりました。これらの結果により、LGTのグループ利益は2億4,060万スイスフランに達し、非常に好調な推移を示しています。

コストの管理と人員の増加

2025年上半期の事業費・事務所費は前年同期比で1%減の2億2,280万スイスフランとなりました。これには、ディジタル化や拡大プロジェクトによる効果的なコスト管理が寄与しています。人件費は11%増の8億4,840万スイスフランで、前年比で増員された従業員数（6,106名）も影響しています。

純資産流入の動向

特筆すべきは、2025年上半期の有機的純資産流入が年率ベースで3.2%増の59億スイスフランに達した点です。プライベートバンキングとアセットマネジメントの各部門が同等に純資産の流入に寄与しました。運用資産残高は3,596億スイスフランで、2024年末の3,675億スイスフランからは若干減少しましたが、好調な市場パフォーマンスがプラスに寄与しています。

今後の展望

2025年後半については、依然として地政学的および経済的不確実性が影響を及ぼすと予測されています。それでもLGTは、国際的な成長刺激策とデジタル化への積極投資により、将来の成長に向けて着実に地盤を固めています。

具体的には、オーストラリア、ドイツ、インド、日本、タイなど新しい市場での取り組みを強化し、既存市場での地位を強化する計画です。デジタル化やAIに対する戦略的投資も継続され、新商品やサービス提供の効率化が期待されています。

LGTの受賞歴と今後の取り組み

2025年に入り、LGTは『Euromoney』誌の「Global Private Banking Awards 2025」で「Best Pure Play/Boutique Private Bank worldwide」を受賞するなど、数々の賞を取得しています。また、『WealthBriefing』誌からも複数の部門で評価され、ESGにおける技術やサステナビリティ推進の分野での成果も確認されています。

LGTの会長であるマックス・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン公子は、収益およびコストに関する計画が着実に進展していることを強調し、継続的な成長戦略が今後も重要であることを示唆しています。これからも、質の高い投資商品とサービスを通じて、顧客に信頼される企業であり続けることを目指します。