食費高騰の時代における卵の価値と調理法の変化について
近年、卵の価格は飼料の高騰や季節的な変動により大きな影響を受けていますが、卵に対する日本人の愛情は変わることなく、「たまご白書2025」としてその実態が明らかになりました。この報告書は、キユーピー株式会社が毎年実施している調査の結果に基づいています。特に「いいたまごの日」に合わせて公表されるこのレポートでは、卵に対する意識や調理の傾向が明らかにされています。
「たまご白書2025」の調査結果
今年の調査では、卵に対する好意度が85.8%に達し、その中でも「とても好き」の割合が50%に達しました。これは昨年からの増加です。日本では、卵は未だに非常に愛されている食材の一つとして位置づけられています。
さらに、2024年の日本の年間鶏卵消費量は一人当たり327個となり、世界では第4位を維持。これは、鳥インフルエンザの影響から部分的に回復を果たした結果でもあります。日本人は、卵の魅力に直面しながらも、その消費量は安定しています。
卵の魅力と価格意識
卵の魅力は多岐にわたりますが、特に「高い栄養価」と「手軽さ」がフィーチャーされています。調査では、62.7%が「タンパク質が豊富」と答えています。とはいえ、価格に対する意識も高まっています。300円まで支払えるという人は55.5%に減少しましたが、400円まで支払う意志のある層も増加しています。
このような価格意識の変化は、卵の他の魅力と複合的に働いていると考えられます。
人気の卵料理
調査では「目玉焼き」が67.8%の支持を集め、7年連続の1位です。特にこの料理は調理が簡単で、手に取りやすいことがその人気の理由です。次いで「ゆで卵」が61.8%の支持を得ており、定番料理として定着しています。
地域性も調査され、卵焼きの味付けに関するデータが収集されました。九州や沖縄地方では甘い卵焼きが好まれ、一方で近畿地方では甘い・しょっぱい両者の割合が拮抗している結果となりました。
調理方法の変化
新たな調理スタイルとして、レンジ調理が注目されています。特に、茶わん蒸しや温泉卵の人気が強く見られており、電子レンジを利用した手軽な卵料理が年々増加しています。若い世代を中心に「コンロ離れ」が進んでいることも、調査から明らかになりました。
これにより、従来の調理方法だけではなく、新たなスタイルが浸透しつつあることが見て取れます。
まとめ
「たまご白書2025」によれば、卵は依然として日本の食文化に深く根づき、愛される食材であることがわかります。食費の高騰に対する意識が高まる中でも、卵はその価値が再評価されている様子が伺えます。調査結果を通じて、食生活の変化や卵料理の新しいスタイルにも注目が集まっています。
私たちキユーピーグループは、これからも健康的な食生活の推進に努めていく所存です。消費者の多様なニーズに応える商品開発に取り組み、卵を通じてより良い食文化を築いていきたいと考えています。