AIが変える橋梁管理
2025-05-22 15:42:43

生成AIによる持続可能な橋梁管理の新たな実証実験

橋梁管理の新たな未来を切り開く生成AIの実証実験



NTTコムウェア株式会社や長崎大学、溝田設計事務所、そして長崎県建設技術研究センターは、持続可能な橋梁の管理を目指して産官学が連携した新しい試みを始めました。この取り組みでは、2025年4月から5月にかけて、長崎県内の13の橋梁を対象に生成AIを活用した実証実験を実施し、その成果を広く評価することを目指しています。

背景と目的



全国の橋梁は、急速な老朽化が進行しており、現在73万ある橋梁のうち約59%が2032年には建設から50年以上が経つことになります。国土交通省からの指導により、5年ごとの定期点検が義務付けられており、年間で約15万橋が診断を受けています。しかし、診断を行うためには多くの技術者が必要で、近年の道路橋定期点検要領の改訂により、より高度な技術と詳細な記録が求められています。そのため、熟練した技術者の不足や業務の負担軽減が大きな課題となっています。

このような背景を踏まえ、今回の実証実験では、AI技術を駆使して診断業務の効率化を進め、技術の継承や修繕コストの最適化を図ることを目的としています。具体的には、長崎大学の専門家が監修し、NTTドコモが開発したAIエージェントを使用して、点検データをもとに診断案の作成が行われます。

AIエージェントによる診断の効率化



実証実験では、橋梁の点検調書に記載された損傷の種類や進行度などのデータをAIエージェントによって処理し、診断活動を効率的に行います。これにより、診断作業にかかる時間が57%短縮される見込みであり、留まりがちな知見がAIによって活用されることで、熟練者でなくても一定水準の仕事が可能になります。

この技術の導入により、修繕の判断がより適正化され、さらには修繕コストの最適化にも寄与することが期待されます。また、技術者育成の視点からもAIを活用することで、ノウハウの継承が進むと考えられます。

未来の橋梁メンテナンスへ向けて



今後は今回の実証を通じて得られたデータや成果を基に、修繕計画の策定支援や劣化予測AIを活用した予防保全にも取り組む予定です。これにより、橋梁メンテナンスのサイクル全体における効率化とコスト最適化を目指すことになります。

また、NTTコムウェア、長崎大学、溝田設計事務所は、全国の自治体への技術展開を進め、持続可能な橋梁維持管理の実現に努めます。

私たちのインフラを支える橋梁が、新しい技術によってどのように維持管理されていくのか、今後の実証実験の成果が待たれます。


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