新たな死化粧の形「CIEL」
株式会社WataSelicaは、2025年11月17日10:00より、故人専用の8色メイクパレット「CIEL」を販売開始します。この製品は、死化粧という大切な技術を用いて、故人の「その人らしさ」を引き戻し、遺族の心に寄り添うために開発されました。
死化粧の重要性と背景
死化粧は、故人が最後の旅立ちを迎える際、その表情に温かみや安らぎを与えるものです。紫斑や黄疸、血色の喪失といった死後の変化は、専門的なケアが求められます。しかし、現在は死後化粧に特化した製品が限られており、現場におけるプロフェッショナルからの需要が高まっています。これに応じ、韓国のBIOBIZ CORPORATIONが開発したクリームファンデーションをベースに、日本市場に合うようにカスタマイズされたのが「CIEL」です。
「CIEL」という名前は、フランス語で「空」を意味し、故人の旅立ちや、遺族の想いが向かう場所を象徴しています。8色のパレットは故人の個性と遺族の気持ちを結ぶ「やさしいかけ橋」となるのです。
製品の特徴
1. 死後変化に特化した補正機能
「CIEL」は、死後の肌の変化に対処するために設計されました。黄疸や紫斑、血色の喪失に対応する色構成がなされており、頬や唇、まぶたに自然な血色を再現します。また、異なる年齢や性別にも対応した混色が可能です。
2. 使いやすいテクスチャーと安全性
「CIEL」のクリームは、異なる肌状態に馴染みやすく、ユーザーが調色やグラデーションを自由に行えるよう配慮されています。また、ホルマリンを使用せず、安全性にも留意した成分設計が施されています。
3. 専門職のフィードバックを活かした実用性
現場で活躍する納棺師やエンバーマーの意見を基に、忙しい業務の中でも「すぐに使える」と感じられるよう、パレット型にした利便性も魅力です。
販売と今後の展望
「CIEL」は、2025年11月17日10:00より納棺師やエンバーマーなどのプロ向けに販売されます。12月初旬からの発送が予定されており、価格は13,200円(税込)です。
WataSelicaの赤羽社長は、「‘Memorial Care Pro’の製品を通じて、最期の時間を尊重し、お別れを支えるための取り組みをさらに広げていきたい」と語り、業界の未来に向けた思いを述べました。
開発の監修者について
この製品は、株式会社キュア・エッセンスの宿原寿美子氏の監修のもと開発されました。宿原氏は厚生労働省認定の1級葬祭ディレクターの資格を有し、豊富な専門知識と経験を活かして製品に実用性を与えています。
終わりに
「CIEL」は、学びの深い死化粧の新たな可能性を示しています。故人の尊厳を守り、遺族の心に寄り添うこの製品は、今後のエンディング業界において重要な役割を果たすことでしょう。私たちは、この新しい取り組みが、最後の別れをより穏やかに、そして心に残るものにしてくれると期待しています。