世界の料理を担う女性の2.1倍は男性より料理を担当する現実
最近、クックパッド株式会社が協力したアメリカのギャラップ社による調査結果が発表され、世界135カ国において女性が男性の2.1倍も料理を担当していることが明らかになりました。このデータは、世界の料理の実態や、料理とジェンダーとの関係を考えるうえで、非常に重要な示唆を与えています。
研究の背景
本研究は、2018年から2022年にかけて、米ギャラップ社が実施した料理の頻度に関する大規模調査をもとにしています。約64万人を対象としたこの調査は、世界中の家庭料理の実態を浮き彫りにするもので、特にジェンダーの視点から徹底的に分析されています。
世界共通の現象
研究は、料理を担当する主たる担い手が女性であるという事実を明確に示しました。すべての地域において、女性が料理を担当する割合は圧倒的で、家庭内の食事を作る役割が特に女性に偏っています。ただし、食事を消費する頻度においては、男女差は小さく、これは料理の役割とそれに伴う行為の分離を示唆しています。
経済的要因による料理の頻度
調査の結果、料理する頻度は国の発展段階により異なることがわかりました。特に新興国に位置する中国やインドでは、料理の頻度が高い傾向にあり、一方で先進国に位置する日本やアメリカでは、家庭で料理をする頻度が低いことが明らかになっています。これは、外食や加工食品の消費が増加することに起因しています。
また、調査では参加者の37%が食費が足りないと回答しており、特に農村地域では61%という高い割合でこの問題が顕在化しています。このような経済的制約は、料理をもっと頻繁に行う傾向にあることが示されていて、興味深い点です。
パンデミックの影響
2020年から2021年にかけて、パンデミックの影響で料理の頻度が増加したことは確かですが、同時にこの期間中のジェンダー格差はさらに顕著になりました。2022年には料理頻度がパンデミック前の水準に戻ってしまう傾向が見えたため、今後も注意が必要です。
ジェンダーの平等について
この研究から導き出されるポイントは、料理をすることが義務的な作業ではなく、創造的で楽しい活動となる社会を目指すことの重要性です。料理を通じて、私たちは健康や家庭、暮らしといった側面で豊かな経験を得ることができ、その価値を再定義する必要があります。クックパッドでは、料理の楽しみが広がることで、自然とジェンダーの格差が解消されると考えています。
最後に
料理とは本来、楽しむべき活動です。社会の中で「誰が料理をするか」という視点は軽視されがちですが、非常に重要な要素です。私たちは料理を通じて、全ての人がより良い暮らしを選択できる未来を目指しています。クックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」というミッションのもと、今後も変革を進めていくことをお約束します。