大雨とプラスチック流出
2026-02-10 11:12:40

大雨によるプラスチック流出の実態とその影響を解明する新手法

大雨によるプラスチック流出の実態とその影響



近年の異常気象により、流域での大雨や洪水が増加しています。そのため、河川が環境におけるプラスチックごみの流出ルートとして果たす役割に注目が集まっています。特に、東京理科大学の田中衛助教と二瓶泰雄教授が率いる研究グループが実施した調査によると、大雨時に河川中のマイクロプラスチックやメソプラスチックの濃度が著しく増加することが明らかになりました。

研究の背景と目的



2019年の世界のプラスチックごみは約3億5300万トンに達しましたが、そのうち2200万トンが環境中に流出していると報告されています。この状況下で、河川は陸上で使用されたプラスチックが海へ流れ出す重要な経路とされています。特に、近年の異常気象による洪水時にはプラスチックごみが急増するリスクが高まります。したがって、本研究は日本の異なる都市河川におけるプラスチックの流出量を調べることで、洪水時におけるプラスチック輸送の実態を解明することを目的としました。

研究内容の概要



田中助教と二瓶教授の研究チームは、鶴見川、多摩川、浅川、大和川といった異なる条件の4河川を選び、降雨による増水時に連続的な水質調査を実施しました。調査では、河川水中のマイクロプラスチックやメソプラスチックの濃度を時間ごとに測定し、その関係性を探りました。

洪水時のプラスチック濃度の急増



調査の結果、大雨によって河川の流量が増加すると同時に、プラスチック濃度も劇的に上昇することが確認されました。実際、一部の河川では年間のメソプラスチック輸送量の約90%が、わずか43日間に集中して輸送されています。この時期はすべて高流量を示した洪水時に該当します。この事実は、平常時の調査では見逃されがちな現象であり、洪水時のモニタリングがいかに重要かを示しています。

経験式による新たな推計手法



研究チームは、河川の流量(Q’)とプラスチック輸送量(L’m)の関係を数式化しました。具体的には、マイクロプラスチックでは"L’m=71.27Q’1.55"、メソプラスチックでは"L’m=108.76Q’2.20"という関係式を導出しました。この経験式は集水面積や人口密度を含む異なる条件下でも適用できるものであり、今後の研究や実務において簡便にプラスチック輸送量を推計する手法として期待されています。

環境教育への応用



本研究の成果は、プラスチック排出量を簡単に推定できる道を開き、環境教育への応用や効果的な汚染対策の立案にも役立つと考えられています。研究を通じて、私たちの生活が河川にどのような影響を及ぼしているのか、数値で可視化することで、より意識を高めることができるでしょう。

まとめ



本研究では、大雨による河川におけるマイクロプラスチックやメソプラスチックの流出実態とそのメカニズムを解明し、今後のプラスチック対策に向けた重要な知見を提供しました。この結果は、国際学術誌『Water Research』に掲載される予定であり、今後の環境問題解決に向けた一歩となるでしょう。


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