Z世代の社員旅行、実態とその心の声
最近、企業における社員旅行が話題になっています。特に、Z世代(22歳〜29歳)の若手社員はその意見として、参加することに対する本音を隠し持っているようです。株式会社日本デザインが実施した調査によると、参加経験者は98.2%とほぼ全員ですが、実際の参加意欲は約3人に1人が「参加したくない」と答えました。
1. 社員旅行に対する参加意欲の現状
調査対象は、社員旅行のある企業で働くZ世代の111名。ここで明らかになったのは、社員旅行に参加したことがないと答えた人は僅か1.8%。しかし、社員旅行の印象としては、6.3%が「まったく参加したくない」、26.1%が「あまり参加したくない」と回答しており、一定の参加意欲がないことが浮き彫りになっています。さらに、仲間である同年代が参加することに対しては81.1%が「参加している」と答えており、周囲の影響も少なからず考慮されていることが分かります。
2. 参加が「しんどい」と感じる理由
参加したくない理由は、主に「上司や先輩への配慮が求められるから」という回答が56.8%と最も多く、続いて「自分の興味のない企画や活動への参加が必要だから」が38.7%、「社内での人間関係に気を遣うから」が36.9%と続きました。これらの結果は、上下関係や社内の人間関係によるストレスが影響していることを示しています。特に、Z世代は自由な働き方や、自分らしさを求める傾向が強く、旧来の社員旅行に対して抵抗感を抱いているようです。
3. 参加への条件と魅力
興味深いことに、社員旅行に参加したいと思う条件には、半数以上が「行き先やアクティビティを自分で選べること」、次に「費用負担がないこと」が挙げられています。また、行き先としては「温泉地」や「国内リゾート地」が人気であり、自由度や自分の時間を尊重した社員旅行に魅力を感じるようです。このように、参加者が望む旅行の形が明確になってきています。
4. 参加しない場合の配慮
また、参加しない勤務者たちにも配慮が求められており、「参加しない人にも旅費相当の手当や代替休暇を付与する」といった希望が55.9%を占めました。さらに、「辞退しやすい雰囲気づくり」が43.2%を得て、参加を強制せず、選択肢を増やすことの重要性が浮き彫りになっています。
5. 会社が取るべき対策
調査の最後には、
「今のまま続けてよい」との意見が47.8%、「続けてよいが、内容を柔軟に変えるべき」が38.7%と大半を占めました。従来の一律的な社員旅行から脱却し、多様な参加形態を選べる環境が求められる時代に突入しています。
社員旅行は、企業文化やチームビルディングの一環として重要視されてきましたが、Z世代の声に耳を傾け、より効果的な形に進化させていく必要があります。今後は自由度が高く、参加者が本当に楽しめるような制度へシフトしていくことが、魅力的な社員旅行を実現する鍵になるでしょう。
まとめ
Z世代の社員旅行に対する態度や希望がクリアに浮かび上がった今回の調査。企業側はこの結果を真摯に受け止め、個々の希望を尊重した新しい働き方を模索することが求められています。