荏原商事と横沢金属工業が共同で陸上養殖技術を推進
最近、荏原商事株式会社(本社:東京都中央区)と横沢金属工業株式会社(本社:埼玉県川口市)は、小規模循環型陸上養殖技術に関する共同検証に向け、協定を締結しました。この取り組みは、デジタル技術による新たなアプローチを通じて、持続可能な養殖業を実現することを目指しています。
背景と目的
荏原商事は上下水道設備や揚排水設備を中心に、日本国内で数多くの自治体や企業と連携してきました。また、再生可能エネルギー分野でも豊富な経験を持っています。一方の横沢金属工業は、昭和18年から続く老舗企業で、微生物・バイオ技術を活用した生物複合養殖設備の研究開発に注力し、特に地域の環境問題に積極的に取り組んでいます。
このように、両社は各自の専門知識を生かしながら、環境に配慮した養殖技術の開発を進めていくことになりました。特に、気候変動やエネルギーコストの高騰という現代の課題に対して、安定した生産とコスト削減を図る養殖設備の必要性が高まっています。
共同検証の内容
検証プロジェクトでは、荏原商事が持つ水循環・省エネの知見と、横沢金属工業のバイオ技術を組み合わせ、小規模で資源循環型の養殖システムの構築を目指します。この「小さな地球」をテーマにした取り組みは、漁業や農業の持続可能な発展に向けた重要なステップとなるでしょう。
養殖から、その餌となる昆虫、さらには食用となる植物の生産を一貫して行うことで、資源を最大限に活用するサイクルが生まれます。この新たな生産システムは、養殖業に新しい風を吹き込む可能性を秘めています。
今後の展開
今後、小型のパイロット試験を実施し、それに基づく投入資源の循環や異なる生物種の生育状況を検証する予定です。加えて、生物種ごとに適した浄化技術や養殖の条件を提案し、さらなる発展を目指します。
この取り組みは、荏原商事が掲げるSDGsのテーマである、「製品・ソリューションの技術革新を通じた環境への貢献」や「地域とのパートナーシップによる循環型社会の実現」に沿ったものです。
SDGsへの貢献
また、今回の取り組みはSDGsの17の目標のうち、特に食糧の安全保障を目指す「目標2」、工業化と持続可能なインフラを支える「目標9」、気候変動に対する取り組みである「目標13」、海の資源を保護する「目標14」、パートナーシップの強化を促進する「目標17」に寄与しています。
会社情報
荏原商事株式会社は東京都中央区に本社を置き、上下水道や環境関連の機械設備の設計・施工を行っています。横沢金属工業は埼玉県川口市にあり、微生物技術を活用した養殖設備の研究開発を手掛けています。
両社は、今後の持続可能な社会の実現に向けてさらなる連携を進めるはずです。この画期的なプロジェクトは、多くの期待を集めています。