フライングスパー、史上最速のウィンターラップを達成！

フライングスパー、ウィンター・ラップレコードを樹立

2025年12月11日、英国のベントレーモーターズは同社のフライングスパースピードが、北スウェーデンのドライブセンター・アリーナで「ウィンター・ラップレコード」を樹立したと発表しました。このサーキットは、北極圏から約160kmの位置にあり、過去には軍用航空基地として利用されていたという、由緒あるレーストラックです。

記録的なパフォーマンス

全長2.05マイル（約3.3km）のコースは約30cmの氷に覆われており、過酷な路面条件の中でフライングスパーは2分58秒という驚異的なタイムを記録しました。このタイムは、厳しい冬季条件下における同サーキットでの史上最速記録です。

この挑戦では、標準的な市販モデルのフライングスパースピードが使用されましたが、冬用には特別にスタッド付き21インチ冬用タイヤを装着して臨みました。それでも、フライングスパーの本質は変わらず、安定した走行性能を発揮して、最高速度120mph（約193km/h）に達することができました。

驚異の技術が支える走行性能

フライングスパースピードには、可変四輪駆動システムと後輪操舵が採用されており、これらが悪条件下でも高い安定性を確保しています。最長ストレートが450メートルという短さにもかかわらず、その特異な走行技術により、記録を打ち立てました。これは、過去にベントレーが誇る数々のアイス・スピードレコードを彷彿とさせるものでした。

実際、ベントレーはこれまでに2007年と2011年にはアイス・スピードレコードを樹立しており、その歴史を背負った今回の挑戦は、象徴的な意味でも大きな意義を持っています。使用された車両は、ベントレー・ヘリテージ・コレクションのターボRと共通の仕様を持ち、特別に調整されたボディカラーとインテリアが施されています。

フライングスパーの優れたシステム

フライングスパースピードには、パワートレイン「ウルトラパフォーマンスハイブリッド」が搭載されており、これが様々な路面状況でも高性能を実現しています。600PSを発生する4.0リッターV8ツインターボエンジンに加え、190PSの電動モーターが組み合わさり、スポーツモードでは合計782PSを発生させます。

EVモードに切り替えることで、日常の交通状況でもスムーズな走行を実現でき、最大47マイル（約76km）の電動走行距離を持つため、多様なニーズに応えます。さらに、このモデルは515マイル（約829km）という長い航続距離を誇り、フル電動状態で最高速度87mph（約140km/h）に対応する能力を持っています。

加えて、「ベントレー・パフォーマンス・アクティブ・シャシー」が標準装備されており、これによりトラクションと安定性が向上します。特に、今回のレコード走行はESC（エレクトロニック・スタビリティ・コントロール）を完全にオフにした状態で行われ、その性能の真価が試されました。