磯焼け対策の革新
2025-06-18 11:21:51

ウルトラファインバブル技術が磯焼け対策に新たな光をもたらす

ウルトラファインバブル技術が磯焼け対策に新たな光をもたらす



近年、海洋環境の悪化が深刻な問題となっており、その一環として「磯焼け」が大きな課題となっています。磯焼けは海藻類の減少や生物多様性の喪失を引き起こし、水産業に多大な影響を与えています。この問題に立ち向かうため、株式会社TKSは三井共同建設コンサルタントと共同でウルトラファインバブル(UFB)技術の研究を進めています。

ウルトラファインバブルとは


ウルトラファインバブルは、0.001mm未満という非常に微細な泡を指し、水中での長期間保持される特性があります。この技術は水産養殖において、特に注目されています。本研究により、UFBがムラサキウニの畜養において有用であることが明らかになりました。具体的には、UFBがウニに対する生残率を高める効果が認められました。

共同研究の成果


2023年からの共同研究の結果、UFBは海水環境においても活性酸素の一種であるヒドロキシルラジカル(HR)を生成することが確認されました。これにより、UFBは実際に養殖場で利用可能であることが証明され、今後の研究での応用が期待されます。徳島県美波町での実証実験では、UFBを使用した水槽が冬季においてもウニの生存率を維持することができたためです。

研究の目的


本研究では、駆除したウニが酸素ではなくUFBによって生存率を保っている可能性を探求しています。実際に海水を用いた環境下でのUFBの影響を検証することで、養殖技術のさらなる向上を目指しています。2025年には学術大会でその成果を発表する予定です。

磯焼けの背景


日本では漁業生産量の40%が水産養殖に由来していますが、磯焼けの進行により生態系が脅かされています。ウニの過剰な食害が藻場の喪失に繋がり、その結果、ウニ自体も商業的に価値を失う状態になっています。TKSの研究は、この悪循環を断ち切ることを目指しており、UFB技術を駆使していわゆる「やせウニ」の商品価値を高めることを狙っています。

UFB技術の将来展望


UFB技術の活用が進むことで、今後はウニの生殖腺の成長サイクルに与える影響や、実入りの改善につながる可能性があります。さらには、中小規模事業者でも導入しやすい養殖設備の提供に取り組むことで、水産業全体の発展に寄与することを目指しています。

まとめ


UFB技術の進展は、海洋環境の保護だけでなく、水産養殖業の持続可能性を高める可能性を秘めています。磯焼け対策としてのUFBの研究が進むことで、未来の漁業の在り方が大きく変わるかもしれません。今後の研究成果に目が離せません。


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