NUKEM、IAEA主催の国際技術会議で成果を発表
2025年7月7日から11日にかけて、国際原子力機関(IAEA)がウィーン国際センターで開催した「技術会議:高温ガス炉における使用済燃料管理」には、ドイツのNUKEM Technologies Engineering Services GmbHから専門家が出席しました。
会議では、高温ガス炉(HTR)や次世代の小型モジュール炉(SMR)に関連した燃料サイクルの構築が主要テーマとなりました。NUKEMからは、主任技術者のDr. Marina Sokcic-Kostic氏、上級物理学者のChristopher Reiser氏、執行役員の二宮暢昭氏の3名が参加し、それぞれの専門分野から貢献しました。
特に注目されたのは、Dr. Sokcic-Kosticによる講演で、HALEU(高濃度低濃縮ウラン)を用いたSMR燃料の製造支援に関する内容でした。彼女のプレゼンテーションでは、HALEUの再加工から得られる材料をさまざまなSMR設計に応用するための方法が提示されたのです。
また、発表では軽水炉、溶融塩炉、高速炉、さらには高温ガス炉向けのTRISO燃料の製造に関する様々な工学的アプローチが紹介され、技術的な新しい視点が示されました。さらに、燃料特性や廃棄物の発生量、黒鉛管理、規制への対応、最終処分戦略といった幅広い技術・政策課題に関して、国際的な専門家たちと活発な意見交換が行われました。
この会議の成果はIAEAの技術報告書としてまとめられる予定で、それが今後の国際協力を一層推進することが期待されています。
参加した二宮氏は、「ドイツおよび日本の代表としてIAEAの会議に参加できたことは非常に光栄です」と述べ、Sokcic-Kostic博士による講演を受けて「国際的な協力が進展していることを実感しました。NUKEMはこの分野での知見やパートナーシップの強化に取り組んでいきます」と意気込みを語りました。
NUKEM Technologies Engineering Services GmbHは、60年以上にわたり、放射性廃棄物や使用済み燃料の管理、原子力施設の解体や廃止措置に関する先端技術を提供してきました。彼らの豊富な経験は、世界中の原子力関連プロジェクトに貢献し、安全かつ効率的な廃棄物管理を推進しています。また、株式会社ムロオシステムズの完全子会社として、原子力業界における持続可能な発展に寄与しています。
NUKEMについて
- - 設立:1960年
- - 本社所在地:ドイツ・カールシュタイン
- - 業務内容:放射性廃棄物・使用済み燃料の管理、原子力エンジニアリングおよびコンサルティング
- - URL:NUKEM Technologies
株式会社ムロオシステムズについて
- - 設立:2006年
- - 本社所在地:東京都中央区日本橋本町
- - 業務内容:ITソリューション、再生可能エネルギー関連プロジェクト
- - URL:ムロオシステムズ
技術者たちの議論や成果が、今後の原子力技術の革新につながることを期待しています。このような国際的な場での交流と協力により、持続可能なエネルギー未来の構築が進むことでしょう。