2026年第1四半期の雇用計画、企業の意欲は上昇中
マンパワーグループ株式会社が発表した「雇用予測調査」の結果によると、2026年第1四半期(1-3月)の企業の雇用計画が前年同期と比べて改善していることが示されました。この調査では、東京都、愛知県、大阪府の企業から合計1,063社の意見を収集し、雇用計画の変化を見極めています。
調査結果によれば、純雇用予測は+18%と前四半期比で5ポイントの上昇が見られ、その背景には企業による採用意欲の回復が影響しているようです。この調査は、41カ国及び地域からの広範なデータを基にしており、日本国内のみならず国際的な動向も反映しています。
調査結果の概要
調査内容は、企業に向けた「雇用計画に関する質問」に基づいており、特に「増員する」と答えた企業が31%、その一方で「減員する」とした企業は14%でした。この差によって純雇用予測が算出されています。調査対象になった企業は、建設業から金融業、情報サービスや製造業など多岐にわたります。
また、業種別に見ると、「情報サービス」が最も活発な雇用活動を示しており、前四半期比で3ポイントの増加があり、予測値は+28%となりました。これは、デジタル化の進展やIT人材の需要が高まっていることを示唆しています。
雇用市場の動向
近年、企業の雇用計画には人手不足の影響が色濃く表れています。特に、2020年以降のコロナ禍の影響で、多くの企業は採用について慎重になっていましたが、2026年第1四半期調査結果が示す通り、雇用意欲が高まりを見せています。ただし、単に回復したというだけでなく、その背景には深刻な人手不足や人件費の高騰など、採用環境全体の厳しさも見逃せません。
実際、東京商工リサーチによると、2025年における「人手不足」関連の倒産は323件に達し、これは前年度を上回る数字です。これにより、多くの企業が「人手を確保しない限り、事業が続かない」という防衛的な立場に強いる状況にあることが分かります。
業種ごとの採用傾向
雇用意欲は全ての業種で均等に得られているわけではなく、業種によりばらつきがあります。特に、長時間労働が求められる業種や、中小企業では労働者の流出が大きな問題となっており、これが企業の採用活動を強化せざるを得ない状況を生み出しています。
一方、自動化が進む業種では、相対的に人材の需要が縮小していく恐れもあります。今後の雇用市場の動向について、業種による二極化が予測される中、企業はそれぞれの特性に応じた対応を進める必要があります。
まとめ
次回の雇用予測調査は2026年第2四半期に発表される予定で、その結果がどのように変化するか注目されます。現在の調査結果は、企業がいかに人材不足と向き合い、成長を目指しているのかを示す重要な指標となるでしょう。マンパワーグループの調査結果をもとに、今後の雇用市場を見通していくことが求められます。