胸部CT画像解析AIエンジンの新たな登場
株式会社ドクターネットが、胸部CT画像の読影を支援するAIエンジン『DoctorNET MONCAD CTLN』をリリースしました。この革新技術は、医薬品医療機器等法に基づき製造販売認証を取得し、販売が開始されています。本AIエンジンは、特に肺部に関する関心領域を効果的に抽出し、体積や最大径の測定を行うことで、放射線診断医の業務をサポートします。これにより、課題とされていた読影の効率化が期待されています。
日本における医療現場の実情
日本は世界有数のCT装置保有国であり、人口当たりの台数はダントツです。そのため、健診や診断においてCT検査が一般的に行われています。しかし、放射線診断の専門医は少なく、一人当たりの読影数は欧米の数倍にも達しています。このような状況では、中には見落としが生じる可能性が高く、医療の質を維持するためには最新技術の導入が急務です。
技術の革新
『DoctorNET MONCAD CTLN』は、約10万例の症例をデータとして用い、深層学習技術を駆使しています。これにより、胸部CT画像に写る関心領域を自動的に抽出し、そのデータを解析・出力することが可能になります。特に、肺がん疑いのケースにおいて、AIエンジンがしっかりとサポートすることで、医師の負担を軽減し、見逃しを防ぐ役割を果たします。
既存の医療機関への導入
このシステムは、すでにドクターネットのサービスを利用する全国1300以上の医療機関での導入がスムーズに行えるよう設計されています。既存の遠隔依頼システムを活用すれば、新たなシステム導入の手間も不要です。また、AIエンジンによる解析結果は、医師による遠隔画像診断サービスとも組み合わせができ、より充実した診断支援を可能とします。
期待される影響
このAIエンジンの導入は、放射線科医の業務負担を大幅に軽減するだけではなく、患者への診断精度を向上させることに寄与します。特に日本は、がんが死因のトップであり、肺がんは男性で最も多くを占めています。早期発見と早期治療が不可欠な中、このようなAI技術の活用は非常に意義深いものです。
今後の展望
ドクターネットは医療向けAI技術の進化を積極的に進めており、国内外のさまざまなAIエンジンとの連携を模索しています。今後も医用画像に関する技術革新を推進し、より質の高い医療サービスを提供することを目指します。この『DoctorNET MONCAD CTLN』がその第一歩となり、多くの医療機関での活用が期待されます。医療従事者の負担を減らし、患者の安全を守る新たな道が開かれつつあるのです。