ロゼッタが新たな翻訳革命を宣言
株式会社ロゼッタがこの度、目を引く新ビジョン『人手の修正が不要な翻訳AIを創る』を発表しました。これは、翻訳業務において人の手による修正が一切不要なAIを開発することを意味します。長らく翻訳業界は人手に依存してきましたが、今後はこの依存から解放される可能性が高まっています。
ロゼッタの挑戦の歴史
ロゼッタは創業以来、数々の挑戦を続けてきました。2006年の「熟考」では、インターネットデータを活用した統計翻訳を導入し、その後、2015年には「精度95%翻訳AI」を目指すと宣言しました。また、2017年にはニューラルネットワーク技術を用いて、「T-4OO」を商用化し、わずか3年で翻訳精度を95%に至らせるという成長を遂げました。このように、過去の成功から得た知見を基に、今回の新ビジョンが生まれています。
新ビジョンの概要
「人手の修正が不要な翻訳AI」の実現は、AI翻訳におけるユーザーの負担を大いに軽減することが期待されます。現在のAI翻訳でも訳文に誤りが含まれることが多いため、特に産業翻訳の分野では人手による確認や修正が必要とされています。この新ビジョンは、そのような作業を消滅させる目標を掲げており、業界全体の生産性を大きく向上させることになるでしょう。
修正作業の再定義
具体的には、ロゼッタは翻訳時に発生する「客観的な間違いの修正」が不要な世界を描いています。この「客観的な間違い」は、文法、語彙、固有名詞、数値の誤りといった明確な誤りを指します。一方で、主観的な感性による修正は、個々の視点や好みに依存するため、完全な自動化は難しいとされています。ロゼッタは、客観的な修正を排除することで、さらに精度の高い翻訳を実現しようとしています。
最初の取り組み
新ビジョンの実現に向けて、ロゼッタが最初に注力する領域は、英日および日英のIT通信業のマニュアルと製造業の取扱説明書です。これらの領域で、人手による作業を完全に自動化し、企業の負荷を軽減することを目指しています。
代表取締役の見解
ロゼッタの代表取締役である五石順一氏は、新ビジョンを発表するにあたって、現在の技術の進歩がこの夢の実現を可能にするのではないかと考えています。過去の挑戦が「不可能」とされていた中で、同社は常に業界の先を見据え、新たな技術を取り入れてきました。
五石氏は、今後の展望について「早ければ来年、遅くとも3年以内に実現できると本気で考えています」と述べており、期待を寄せています。
会社情報
ロゼッタは、業界に特化したAI翻訳サービスを提供しているとともに、専門用語に強い高精度AI翻訳を展開しています。国内750億円以上の売上を誇る同社は、様々な業界のニーズに応じたカスタマイズAIを提供し、顧客の課題解決に注力しています。ロゼッタの新ビジョンは、その在り方を更に進化させる重要なステップになることでしょう。
ロゼッタの取り組みを通じて、翻訳業界がどのように変革するのか、今後の動向に注目です。