『京都撮影所案内』で広がる時代劇の世界
日本の映画産業の重要な拠点である京都。特に時代劇の撮影には欠かせない地下には、数多くの撮影所が存在しています。その魅力を高鳥都が『京都撮影所案内』にて掘り下げ、7月18日の発売を控えています。
撮影所訪問の第一歩
本書では、著者の高鳥が実際にカメラを手にして訪れた各撮影所のリアルな姿を数多くの写真と共に紹介しています。早速、訪れた撮影所としては「松竹撮影所」に加え、大映通り商店街周辺にある「嵯峨映画」「東和美粧」「髙津商会」、そして「東映京都撮影所」や「東映太秦映画村」といった、時代劇を支える重要なスポットが取り上げられています。普段見ることができない撮影現場の雰囲気を感じられる内容となっており、映画ファンにはたまらない一冊です。
豊富なインタビュー
また、22名の関係者によるインタビューが掲載されている点も魅力的です。撮影監督、装飾、録音、美術、照明など、多彩な専門家が語る撮影の裏側や、時代劇制作の現場感を生々しく伝えてくれます。これらのリアルな声は、映画制作の一端を知る手助けとなります。
日本のハリウッド・京都
巻末には「日本のハリウッド・京都」と題された章が用意され、1910年から現在に至るまでの撮影所の歴史をたどります。タレントやスタッフのインタビューを通じて語られる撮影所の変遷は、今まで知られていなかった多くの事実を明らかにし、新たな知識を提供してくれることでしょう。特に、小さな撮影所にまつわる歴史は貴重な資料となります。
体験する映画の魅力
映画の撮影所という不思議な場所の魅力を、ぜひ本書を通して体験してください。撮影所の魅力は、単なる歴史や技術だけにとどまらず、そこに関わる人々の情熱や物語があるからこそ、さらに深く味わうことができるのです。
東映太秦映画村の特別な魅力
さらに、本書で紹介されている中で唯一一般公開されている東映太秦映画村についてもご紹介。ここは東映京都撮影所の屋外スタジオで、時代劇のオープンセットや特撮&アニメの東映キャラクターのイベントが楽しめるテーマパークです。この映画村は、2025年11月1日で開業50周年を迎え、リニューアルプロジェクトも進行中です。
2025年夏には、新たに「太秦祭魂~Soul Of Uzumasa Matsuri」というサマーフェスが開催される予定です。これは髙津商会の企画協力によるもので、太秦地域に焦点を当てたイベントとして注目されています。新しいエリアのオープンも予定されており、訪れる価値は高まっています。
書誌情報
- - 書名: 京都撮影所案内
- - 著者: 高鳥都
- - 定価: 3,520円(本体3,200円+税10%)
- - 発売日: 2025年7月18日
- - 発行: 立東舎
- - 発売元: リットーミュージック
ぜひ、著者の高鳥都が撮影した素晴らしい写真を通じて、京都の撮影所の多彩な魅力に触れてみてください。訪れたくなるような特別な場所が、そこには広がっています。