アニメ制作の未来を切り開く「ACTF2025 in TAAF」体験レポート
3月8日(土)・9日(日)に開催された「ACTF2025 in TAAF」は、アニメーション制作関係者にとって注目のイベントです。このフォーラムは、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)、ワコム、セルシスの共催によって実現し、多くのアニメーターや制作関係者が集まりました。
このイベントでは、最新のデジタル制作ツール「CLIP STUDIO PAINT Ver.4.0」の体験展示が行われ、参加者はその機能を実際に試すことができました。また、アニメーション制作に関わる各社のセミナーも多数実施され、特に「CLIP STUDIO PAINT」の活用事例には多くの関心が寄せられました。
ACTFの概要と目的
ACTF(アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム)は、2015年にスタートし、アニメーション制作に関するデジタル情報を提供する場として設けられました。2025年の開催は、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)内で行われ、オンライン配信と会場展示を併用した新しい形でのフォーラムとなりました。この年のフォーラムには、500名を超える業界の専門家が参加し、専門的な知識を共有しました。
セミナーのハイライト
イベントのメインセッションには、ACTF事務局の轟木 保弘さん、studioMOTHERのアニメーションプロデューサー石田 麻菜美さん、演出家の松島 弘明さんが参加し、デジタルタイムシートの活用法などが紹介されました。石田さんは、各制作セクションと連携し、「CLIP STUDIO PAINT」が外注先の制作でも一番多く使用されている点に触れながら、制作フローのシンプルさが重要であると強調しました。
「外部に依頼した場合、フォーマットが守られないケースやまだアナログでの制作を行っている方もいますが、うちのチームは全員が『CLIP STUDIO PAINT』を使っています」と話し、これが制作の効率を高めるための重要な要因であると語りました。
タイムシートレス制作の可能性
また、株式会社スタジオエイトカラーズの代表、宇田 英男さんとアニメーターの長尾 波奈さんは、「CLIP STUDIO PAINT」を駆使したタイムシートレス制作の実績を紹介しました。ターゲットは、TVアニメ『ねこに転生したおじさん』で、従来の紙のタイムシートとデジタルを併用している現状の問題を解決するために、完全デジタル化のフローへ移行する挑戦について詳しく説明されました。
新機能とデモ体験
さらに、CLIP STUDIOのブースでは、新たに提供が開始された「CLIP STUDIO PAINT Ver.4.0」や、片手入力デバイス「CLIP STUDIO TABMATE 2」のデモも行われ、参加者はこれら新機能を実際に体験しました。
これまでに登場したCLIP STUDIO PAINTは、幅広いデバイスに対応し、5,000万人以上のユーザーに楽しさと利便性を提供しています。アニメーション制作の現場でも、その機能がますます重要な役割を果たすことが期待されています。
まとめ
セルシスは今後も「CLIP STUDIO PAINT」の機能強化を進め、クリエイターの制作環境をより良くするための支援を続けられる意向です。このACTF2025は、アニメ制作に関わる全ての人がデジタル化に一歩前進する重要なイベントとなったと言えるでしょう。アニメの未来に向けた全てのクリエイターをつなげるこの活動は、今後も注目が集まることでしょう。