SCSKと電通総研の新たな提携
SCSK株式会社が株式会社電通総研との間で、タイ市場向けの販売代理店契約を締結しました。この提携により、SCSKが開発した国産CAEソフトウェア『ADVENTURECluster』の販売が大幅に拡大され、一層タイ市場でのプレゼンスを向上させることが期待されています。
提携の背景
SCSKは20年以上にわたり、日本国内の製造業にCAE技術を提供してきました。CAE(Computer Aided Engineering)は、製品開発に関するシミュレーション技術で、物理的な試作や実験を行うことなく、コンピュータを使って製品の設計や開発を支援するものです。この技術を活用することで、製品の品質向上や開発期間の短縮、コスト削減を実現してきました。
日本の製造業は約8割がアジアに進出し、特にタイには多くの自動車関連企業や電気分野の企業が存在しています。SCSKと電通総研タイの協業によって、現地のニーズや商習慣に応じた適切なサービスを次々と提供し、人材不足や開発コストの問題解決に貢献することを目指しています。
SCSKのグローバル展開戦略
SCSKの目指すグローバル展開の第1歩として、タイ市場を重点的に捉えた計画が進行中です。電通総研タイが持つ140社以上の製造業顧客基盤と、現地ならではの商慣行や意思決定プロセスに対する知識を活かし、迅速で確実な市場参入が期待されます。
電通総研タイによるサポート
電通総研タイは、CAE市場において10年にわたる販売とサポートの実績があります。現地スタッフが直接のコミュニケーションを通じて製品の提供を行い、技術サポートを通じて「日本品質」のサービスを提供します。これにより、タイの設計・解析技術者が抱える問題に迅速に応じることができ、効果的なサポートが可能となります。
今後の展望
今後、SCSKと電通総研はタイ市場で数々の成功事例を重ね、CAE領域における協業をさらに拡大していく予定です。最終的には、ADVENTUREClusterの売上目標として5年以内に3億円を目指します。これにより、タイの製造業の発展と、同国におけるイノベーションの創出をサポートしていくことが狙いです。
SCSKグループの経営理念
SCSKは「夢ある未来を、共に創る」という経営理念の下、サステナビリティ経営に注力し、社会との共生を目指しています。特に、製造業におけるCA技術の活用を通して、製品の品質向上とイノベーションの促進を実現していく方針です。これにより、環境保護やリソースの効率的な利用にも貢献します。
コメントから見る今回の提携
電通総研タイの代表取締役、柄沢賢一氏は「ADVENTUREClusterをタイの製造業に届けられることを大変嬉しく思います。私たちはタイの市場ニーズを理解し、SCSKと共に解決策を模索していきます」と述べています。このコメントからも、提携の意義と期待感が伝わります。
今回の提携によって、SCSKは「ADVENTURECluster」を通じてタイの製造業に新たな可能性をもたらすことでしょう。今後の展開に目が離せません。