性の多様性理解を深める取り組み
2025年12月8日、GLOBALTREEが一般社団法人 S.C.P. Japanと協力し、「LGBTQ+/性の多様性研修」を実施しました。この研修の目的は、児童福祉や教育、発達支援の分野で働くスタッフが性の多様性を理解し、子どもたちが自分らしく過ごせる環境を整えることです。
研修の背景
近年、子どもたちが抱える不安や戸惑い、またその言葉にしづらい違和感に寄り添うためには、多様性に対する理解が欠かせません。しかしながら、性に関する知識は現場や社会によって異なり、無意識の偏見や思い込み(アンコンシャス・バイアス)が、支援の質に影響を与えることがあります。
GLOBALTREEグループでは、スタッフが多様性を「自分ごと」として捉えることの重要性を持っています。それによって、より丁寧に子どもたちに寄り添い、支援を提供することを目指しています。
研修の目的
この研修では以下の3つの目的が設定されました:
1. 性の多様性に関する知識を深める。
2. 子どもとその家族が安心して過ごせる支援環境を整備する。
3. スタッフが自分の価値観や無意識の偏りに気づくことで、より丁寧な関わりに結びつける。
講演内容
講師として招かれたのは、合同会社Zeforeの代表であり、LGBTQ当事者の山本朝陽さんです。彼女が強調したのは、「多様性は特別な誰かの話ではなく、すべての人が持つ個性」であるという視点です。人は誰しも何らかの不安や違和感を抱えており、これは性の多様性に限ったことではありません。研修では、スタッフが自分の価値観を見つめなおし、無意識の思い込みに気づくためのワークが行われました。自分を理解することは、他者を受け入れる第一歩であり、自己理解を深めることで多様な考え方に気づくことが可能になります。
特に、子どもを支援する現場では、正しい知識を持つことに加え、「一人ひとりの背景を尊重する姿勢」が支援の質を大きく左右します。この学びは、参加者全員の心に深く刻まれました。
研修実施の形式
本研修は、管理者を対象にオンラインと対面でのハイブリッド形式で行われ、柔軟な受講が可能でした。参加者はそれぞれの立場から、多様性の重要性を再認識しました。
今後の展望
現在、性の多様性理解は徐々に広がっていますが、依然として無意識の思い込みによる支援の不均一性が解消されていない現状があります。この研修で得た知識を基に、GLOBALTREEグループは「多様性は特別なテーマではなく、身近なもの」という意識を大切にし、子どもたちが安心して過ごせる支援体制の強化に努めていく方針です。
参加したスタッフは、今回の研修を通じて多くの気づきを得ました。たとえば、「相手の背景を考えながら寄り添うことの大切さに気づいた」との感想や、「他者を理解するためにはまず自分を理解することが重要」との学びがありました。
GLOBALTREEグループは、今後も継続的にこのような研修を実施し、組織全体に多様性を尊重する視点を浸透させていきます。スタッフが安心して働ける環境の構築とともに、子どもたちが「自分らしく過ごせる場」を提供し続けるため、地域社会や関連機関と連携して、包括的な支援体制の発展に注力してまいります。
一般社団法人 S.C.P. Japanについて
S.C.P. Japanは、「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来を創る」というビジョンを掲げ、スポーツを通じた共育や研修、人材育成、国際協力事業などを行っています。
山本朝陽さんのプロフィール
特別講師の山本朝陽さんは、元女子サッカー選手であり、現在はメンタルトレーナーとして活動しています。彼女はLGBTQ当事者の視点から、多様性の理解を促進し、企業や教育現場でメンタルトレーニングや研修を提供しています。人々が抱える「見えない不安や違和感」に寄り添う支援を続けており、その経験をもとに多様性の重要性を広めています。
GLOBALTREE GROUPについて
GLOBALTREEは、すべての年代の人々に適切な支援を提供し、多様な人々が共存する社会の実現を目指しています。児童発達支援や放課後デイサービス、就労支援など、幅広い支援サービスを展開するとともに、社会の体制を変えるための連携事業を積極的に進めています。