未来の海を担う若き研究者たちの挑戦
2025年2月15日、TKPガーデンシティPREMIUM東京駅日本橋では、次世代研究者たちの海洋・水環境に関する研究発表会「マリンチャレンジプログラム2024 全国大会」が開催されました。これは一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構(JASTO)と株式会社リバネスが共催するイベントで、海洋分野の課題解決に貢献することを目的としています。
今回は、2024年7月から8月にかけて全国5つのブロックで行われた地方大会で選出された15名の研究者が、自らの研究成果を発表しました。この発表会は、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、人々が海を通じてつながり、未来の海を文字通り引き継ぐ活動です。
最優秀賞は沖縄産サンゴの研究へ
2024年度の応募数は94テーマにも上り、その中から最優秀賞に輝いたのは、早稲田大学高等学院の鈴木雅人さんによる研究「沖縄産サンゴにおける刺胞毒の調査とパリトキシンの謎」でした。鈴木さんは沖縄の海に対する愛情から研究を始め、強い毒を持つとして知られるマメスナギンチャクに着目しました。
鈴木さんは、自らの仮説を立て、実験を通じてマメスナギンチャクが複数の毒を有している可能性に辿り着きました。審査員長の岡崎敬さんは、彼の熱意とサンゴの毒に取り組む姿勢から高く評価し、最優秀賞の選出に至ったと語っています。
その他の賞も模範的な研究へ
この発表会では他にも、いくつかの賞が授与されました。日本財団賞には山口県立徳山高等学校の松永七海さんによる「イカから出る廃棄物の再利用法~イカでイカを釣る~」、JASTO賞には西大和学園高等学校の井芝悠貴さんの「シナミヌマエビの体色はなぜ変化するのか?」が、リバネス賞には熊本県立東稜高等学校の矢立唯真さんによる「カワリヌマエビ属に共生するエビヤドリツノムシ2種の生息状況」に授与されました。
熱心な交流と新たな研究の始まり
発表の後は、共同研究プロジェクトの採択チームによるポスター発表が行われ、「日本の海洋プランクトンマップを作ろう」というテーマのもと、学生たちが互いに質疑応答を行うなど、活発な交流が見られました。このような交流の場は、次世代の研究者たちにとって貴重な経験となったはずです。
引き続き海洋研究の重要性を発信
最後の閉会式ではリバネスの岡崎さんが、「海や水に関わる課題を探究することで新しい仲間を見つけていってほしい」と出席者にメッセージを送りました。
今後もマリンチャレンジプログラムは、未来の海・水産・水環境の発展のために、次世代の研究者を支援していく予定です。現在、2025年度の申請も受け付けています。
公式サイト:
マリンチャレンジプログラム
おわりに
この発表会は、若き研究者たちが未来の海洋環境に向けて新しい知見を生み出し、それを次世代へつなげる重要なイベントであることを改めて証明しました。もしあなたもこの分野に興味があるなら、参加してみてはいかがでしょうか。未来の海を共に考えていきましょう。