次世代を見据えるパンチ工業
11月4日、パンチ工業株式会社の北上工場(岩手県)にて、日本鉄鋼協会東北支部と日本塑性加工学会東北・北海道支部が共催する工場見学が実施されました。これは技術の継承と次世代育成を目指すパンチ工業の重要な取り組みの一環です。見学会には大学生や関連企業の社員など合計18名が参加し、北上工場の金属加工現場を視察しました。
工場見学の様子
参加者はまず、北上工場の精密金属加工を体感しました。工場内では熱処理から完成品まで、一貫した製造プロセスが見られ、参加者は実際の金型部品製作の流れを学びました。「多様な金型部品が製作されている様子がとても参考になった」「金型部品に対する理解が深まった」といった声が寄せられ、見学の意義が感じられました。社員に対して質問も多く寄せられ、その場の興奮が伝わってきました。
講演「接合技術で実現する理想的な金型部品」
見学の後、当社の製造技術部の社員による講演が行われました。「P-Bas®」と呼ばれる独自の金属接合技術についての説明がありました。この技術は金属を溶かすことなく、固体同士を接合する方法であり、参加者の中には専門的な知識を持つ方も多く、質疑応答が活発に行われました。「接合はどう行うのですか?」といった具体的な質問が飛び交い、参加者の関心の高さが伺えました。
質疑応答からの一問一答
A: 拡散接合という技術を用いて、特定の温度で荷重をかけることで原子が互いに移動し、一体化します。
- - Q: 硬度差のある金属を接合することは可能か?
A: 理論的には可能ですが、接合後の熱処理が必要です。
受け入れの経緯
今回の工場見学は、パンチ工業が日本塑性加工学会の賛助会員であることから実現しました。2024年に予定されている若手研究発表会への参加を受け、好評を博した結果、見学会を受け入れる運びとなりました。パンチ工業では、ものづくりによる信頼と技術の真摯な取り組みを通じて次世代への発展を目指しています。
パンチ工業の研究開発の取り組み
パンチグループは、金型部品事業のみならず、研究開発にも力を入れており、航空宇宙産業や新素材開発などに雑用が取り組まれています。特に、2023年5月には株式会社ダイモンと技術パートナー契約を結び、月面探査車への貢献を果たしました。
また、P-Bas®技術は金属加工の中で、特に3Dプリンターの金属粉末加工と比較して、多様な特殊鋼に対応できる点が優れており、より高精度な部品の製作に寄与しています。さらに、当社では金属粉末の焼結による新たな素材作りにも挑戦し、過酷な環境にも耐え得る合金を開発しています。
新たな取り組み
最近、宮古工場ではクルーズ船の記念品プレートを作成する依頼を受け、新たな挑戦として加工を行いました。「浄土ヶ浜」をモチーフにしたこのプレート製作では、通常の金属加工機を使用した彫刻が求められ、技術的な課題に直面しましたが、他の業者との協力を通じて成功を収めました。
会社概要
パンチ工業株式会社は1975年創業、東京都品川区に本社を置く金型部品の製造メーカーです。金型部品における特注金型の分野では世界トップのシェアを誇ります。今後もさらなる技術革新と研究開発の推進に努め、ものづくり産業を牽引していきます。
お問合せ先
パンチ工業株式会社コーポレート・コミュニケーション室広報IR課
電話番号:03-5753-3130
メール:
[email protected]