チェック・ポイントが新たに実現するゼロトラストセキュリティ
最近、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが、ゼロトラストセキュリティを実現するための新機能、Enterprise Browserを発表しました。このブラウザは、特にBYOD(Bring Your Own Device)や請負業者のデバイスといった、自社管理下にないアンマネージドデバイスに対しても、安全で強固なセキュリティを提供します。
なぜEnterprise Browserが必要なのか?
ハイブリッド労働が進む中、サードパーティのエコシステムが増加し、アンマネージドデバイスは企業にとって大きなセキュリティリスクと化しています。従来のVPNやノートPCの支給は、コストや管理負担が高く、コンプライアンスへの対応が難しいのが現状です。チェック・ポイントのEnterprise Browserは、この問題を解決するために設計されたもので、特にセキュリティと生産性の両立が求められる現代のビジネス環境において重要な役割を果たすと期待されています。
Enterprise Browserの主な機能
Enterprise Browserは、Chromiumを基盤にしており、以下のような強力な機能を備えています:
1.
データ分離と消去:エンタープライズアプリケーションやデータは基盤OSから徹底的に分離され、セッションが終了すると同時に機密データは完全に消去されます。
2.
データ損失防止(DLP)機能:アップロード、ダウンロード、コピー&ペースト、印刷などが制限され、必要に応じて文書や画面には透かしが適用されます。
3.
エージェントレスでの状態チェック:ソフトウェアをインストールせずとも、ウイルス対策やOSバージョン、ディスク暗号化などをチェックし、アクセスを許可する前にデバイスの健全性が確認されます。
4.
完全なセッション可視化:コンプライアンスの遵守やフォレンジック調査のため、ナビゲーション履歴やスクリーンキャプチャが可能です。
5.
シームレスなSASE統合:Harmony SASEとの統合により、エージェントレスZTNA機能やポリシー管理が簡便に行えるようになっています。
期待されるメリット
Enterprise Browserは、ビジネスの俊敏性とセキュリティの両方に対して大きなメリットをもたらすことが期待されています。
- - アンマネージドデバイスの保護:BYODや請負業者のノートPCを安全なゼロトラストエンドポイントに変換することで、セキュリティを強化します。
- - オンボーディングの加速:ハードウェアやエージェントのプロビジョニングなしで、サードパーティユーザーに即時の安全なアクセスを提供します。
- - コンプライアンスの確保:信頼性の低いデバイスを利用した場合でも、HIPAAやGDPRなどの規制に対するサポートを実現します。
- - コスト削減:ノートPCの配送を行わずに、内部の脅威やコンプライアンス違反を防止します。
このように、チェック・ポイントのEnterprise Browserは、組織が自社の重要システムやデータを守りながら、柔軟で分散したワークフォースを効果的に支える手段となるでしょう。2025年9月3日より、全世界で提供が開始されています。
まとめ
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは、セキュリティの最前線を担うリーダーとして、デジタルトラストの分野で数多くの企業を支えています。Enterprise Browserの導入は、企業にとって新たなセキュリティの扉を開く機会となるでしょう。